

2025年 人気だった腕時計ブランドランキング TOP10

2025年の腕時計市場は、これまで以上に「なぜその時計を選ぶのか」が静かに、しかし確実に問われた1年でした。
一時期見られた、過度な価格高騰や話題性を優先した動きは落ち着きを見せ、ブランドが長年積み重ねてきた歴史や技術、そして日常の中でどのように使われ、付き合っていけるのかを理解したうえで選ばれる傾向が、はっきりと強まっています。
ここまで実需と価値観が重なった市場は久しぶりだと私は感じています。本記事では、2025年に実際の販売実績として支持を集めた腕時計ブランドをランキング形式でご紹介します。なぜそのブランドが選ばれたのか、その背景にある思想と市場の変化を丁寧に読み解きながら、これから時計に興味を持つ方にも分かりやすく、2025年を象徴する時計選びの視点をお伝えします。
2025年の腕時計市場トレンド総括

2025年の腕時計市場は、機械式時計の本質的な価値が改めて見直された年だったと言えるでしょう。世界的な高級時計市場は依然として堅調で、2025年から2032年にかけて年率10%を超える成長が予測されているというデータもあり、本質的な価値を持つ時計への需要は安定しています。
とりわけ印象的だったのは、二次市場の成熟です。著名モデルの中古価格は堅調に推移しており、短期的な投機を目的とした動きよりも、実際に使い、集めることを前提とした取引が増えています。公開されている市場データや流通動向を総合すると、そうした実需中心の流れが、着実に強まっていることが読み取れます。
また愛好家の間では、スリムで品のあるドレスウォッチの再評価や、ブランドの哲学が色濃く反映された新しいデザインへの関心も高まりました。これらの動きは、流行を追いかける消費から、背景や技術、物語を理解したうえで選ぶ時代へと移行していることを示しています。
2025年は、腕時計が再び「文化」として語られ始めた、ひとつの転換点だったと私は感じています。
2025年 人気ブランドランキング

2025年に実際の販売実績として高い支持を集めた腕時計ブランドの人気ランキングを発表します。本ランキングは、話題性や一時的なイメージではなく、実店舗での販売動向、具体的な問い合わせ数、さらに二次市場での流通量と評価を総合的に分析したものです。
数字だけを追うのではなく、現場で何が選ばれ、どのような理由で手に取られていたのか、その声にも耳を傾けることで、2025年の市場の実像が浮かび上がってきました。
2025年、本当に売れたブランドとはどこだったのか。
ここから、その順位を発表します。
1位ロレックス

2位以下に大きな差をつけ、2025年も圧倒的な販売実績を記録したのが ロレックス です。
世界的な知名度と長年培われてきた信頼性は依然として強く、投機的な動きが落ち着いたことで、本来の魅力が改めて評価される1年となりました。
特にデイトジャストやエクスプローラーといった王道モデルは、華美すぎず実用性に優れる点が再認識され、安定した需要を維持しています。
初めて高級腕時計を選ぶ層から、複数本を所有する経験豊富な愛好家まで幅広く支持され、実需という観点では他ブランドを大きく引き離す結果となりました。ロレックスは2025年もなお、基準であり続けています。
2位オメガ

2位にランクインしたのは オメガ です。
実用性と価格のバランスに優れたブランドとして、2025年も安定した販売実績を維持しました。
中でもスピードマスターは、確かな歴史性と信頼性を併せ持つ定番モデルとして継続的な需要があります。過度な価格高騰がなく、手の届きやすい価格帯を保っている点も評価され、特に40代・50代を中心に「安心して選べる高級腕時計」として支持を集めました。
堅実で誠実なものづくりが、結果として数字に表れた1年だったと言えるでしょう。
3位オーデマ・ピゲ

3位には オーデマ・ピゲ が入りました。
2025年も高い販売実績を誇り、確固たる存在感を示しています。
その中心にあるのがロイヤルオークの存在です。スポーツラグジュアリーウォッチの象徴とも言えるこのモデルは、世界的に高い評価を維持しており、新品・中古を問わず安定した需要があります。中古市場でも価格が堅調で、資産価値が維持されやすい点が実需と収集欲の双方を刺激しました。
結果として、従来の愛好家に加え、若年層から富裕層まで幅広い支持を集め、2025年の売れ筋ブランドとしての力強さが際立っています。
4位ウブロ

ウブロは2025年、現代的ラグジュアリーの代表格として実売でも高い評価を受けたブランドです。
特にウォッチズ&ワンダーズ2025では素材革新やデザイン性が大きな話題となり、展示や新作が注目を集めました。スポーツ系ラグジュアリースタイルが再評価される中、ウブロの大胆な存在感と視覚的なインパクトはカジュアル層や成功者層に響き、販売実績にも反映されています。
消費者の価値観が「伝統×個性」にシフトしたであろう2025年において、ウブロは着けていて楽しい高級時計として選ばれたブランドです。
5位ブルガリ

ブルガリは2025年、新作発表や革新的モデルを通じて売上を伸ばしたブランドとして大きな注目を集めました。
ウォッチズ&ワンダーズ2025ではオクトやフィニッシモといったモデルが話題となり、超薄型トゥールビヨンなどの革新性が評価されています。こうした技術とデザインの両立が都市的で洗練された印象を与え、ファッション×時計としての魅力が広く受け入れられました。
ブランドとしての再評価はトレンドと実売データの両面で確認されており、2025年に売れた理由として十分な説得力を持っています。
6位カルティエ

2025年のカルティエは、世界的なラグジュアリー市場で進んだ「ジェンダーレス」「境界のない装い」という潮流を強く追い風に、実売を伸ばしたブランドです。
タンクやサントスといった普遍的なデザインは、年齢や性別を問わず支持され、ペア需要やライフステージの節目での購入が増えました。時計としての完成度に加え、ジュエラーとして培われた造形美が評価され、装身具としても成立する点が2025年の消費者心理に合致しています。
流行ではなく選び続けられる形を持つことが、カルティエが売れた最大の理由と言えるでしょう。
7位パテックフィリップ

2025年のパテック フィリップは、販売本数を競うブランドではないことを改めて示した一年でした。
過熱していた投資的需要が世界的に落ち着いたことで、カラトラバやアクアノートといった実需モデルの価値が再評価されています。価格ではなく背景や完成度を理解した層が確実に購入しており、「最後に辿り着く時計」という立ち位置が明確になりました。
2025年は、パテック フィリップが本来の評価軸に戻り、静かに、しかし確実に売れた年だったと私は考えます。
8位ロンジン

ロンジンは2025年、世界的な物価上昇や価格感度の高まりを背景に、実売で非常に堅実な動きを見せました。
クラシックで分かりやすいデザイン、安定した品質、そして過度に高騰しない価格帯は、「安心して選べるスイス時計」として支持を集めています。初めて機械式時計を購入する層から、日常使いの買い足しを検討する層まで幅広く需要を獲得しました。
2025年は、派手さよりも実用と信頼が重視された年であり、ロンジンの立ち位置が明確に評価された1年です。
9位シャネル

2025年のシャネルは、J12を中心に「ファッションブランドの時計」という認識を大きく更新した年でした。
セラミック素材の完成度や自社ムーブメントへの理解が進み、女性層だけでなく男性やペア需要にも広がりを見せています。ラグジュアリー市場全体で自分らしさや世界観が重視される中、シャネルの一貫した美意識は強い支持を獲得しました。
2025年は、ブランド力が実売に直結した象徴的な1年だったと言えるでしょう。
10位グランドセイコー

グランドセイコーは2025年、日本国内に加え海外市場でも静かに実売を伸ばしたブランドです。
円安環境の影響もあり、仕上げや精度に対するコストパフォーマンスの高さが国際的に再評価されました。派手な広告や話題性に頼らず、実直なものづくりが支持され、特に50代・60代を中心に「長く付き合える時計」として選ばれています。
2025年は、グランドセイコーが理解されて売れた1年だったと言えるでしょう。
ランキングから見える2025年の本質

2025年の腕時計市場を世界的な視点で振り返ると、ひとつの明確な変化が浮かび上がります。それは、感覚や雰囲気で選ぶ消費から、理解に基づいて選ぶ消費への移行です。
欧米、アジアを問わず、話題性や短期的な価格上昇を目的とした購入は確実に減少し、ブランドが長年積み重ねてきた歴史や技術、そして長期的にどのような価値を持つのかを理解したうえで選ばれる傾向が強まりました。
実際に売れたブランドはいずれも、日常での使いやすさと普遍性を備え、二次市場においても信頼されている点が共通しています。
また、長らく続いたスポーツモデル一強の流れが落ち着き、ドレスウォッチやクラシックなデザインへの関心が戻ってきたことも、2025年を象徴する変化のひとつだと私は考えています。
2025年は、腕時計が投機目的や他人に見せるための自慢品から、自分自身が納得するための嗜好品へと立ち返った、まさに成熟の一年だったと言えるでしょう。
2025年の腕時計市場まとめ

いかがだったでしょうか。
2025年の腕時計市場を振り返ると、流行や価格の上下だけでは決して語りきれない、「選ばれ方そのものの変化」がはっきりと見えてきます。
実際に支持を集めたブランドに共通しているのは、派手さや希少性ではなく、なぜその時計を持つのかを自分の言葉で語れるだけの納得感でした。
ロレックスの揺るがない信頼性、オメガの実用性と誠実さ、オーデマ・ピゲの哲学と個性はいずれも、その象徴と言えるでしょう。
腕時計は、他人からどう見られるかを意識するための自慢品だけではありません。自分自身がその背景を理解し、そこに込められた時計哲学を感じ、共感しながら、時間を共に重ねていきたいと心から思える1本を選ぶための嗜好品へと、需要が確実に変わりつつあります。
そして私は、それこそが本当の意味での時計の楽しみ方であり、高級腕時計と呼ばれるブランドたちと向き合う、最も豊かな姿だと常に感じています。そうした価値観を大切にする時計愛好家が、これからさらに増えていくことを、愛好家の1人として心から願っています。
今回のランキングが、これから時計を選ぶ際に、自分にとって本当に大切な基準は何なのかを見つめ直すきっかけになれば幸いです。
あなたにとって、2025年を象徴する1本は、どのブランドだったでしょうか。
この記事の監修者

佐藤高雅(さとうたかまさ)
株式会社ジェムキャッスルゆきざき ECソリューション室副室長
1996年生まれ。高校在学中に煌びやかな高級腕時計やジュエリーに興味を持つ。
大学在学中に某日本メーカ時計正規店でアルバイトを経験し卒業後、店舗販売員として2019年ジェムキャッスルゆきざきに入社。
3年間販売員を経験した後、時計の知識や文章力を買われECソリューション室へ異動。
以後ゆきざきサイトの文章やブログ記事、デザイン関連を統轄しており、メディア広報室立ち上げ時にはYouTubeレギュラー出演やニュース番組、中国系SNSにも出演する。
初めて購入した腕時計は、23歳でブレゲのマリーン2。
婚約時計はペアでジャガールクルトのレベルソ。
ランゲ&ゾーネ ランゲ1を手に入れるものの、自分には早すぎたと手放す。
40歳になったら記念で購入予定(理想)
好きなブランドは、ジャガールクルト・ランゲ&ゾーネ・FPジュルヌ。時計業界歴7年。
■経歴
2019年 株式会社ジェムキャッスルゆきざき/新卒
2021年 メディア広報室/設立
2022年 ECソリューション室/副室長
■得意領域
WEBライター
高級腕時計全般
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
ジュエリーコーディネーター


