ロレックスの保証書(ギャランティーカード)の役割や種類など基礎知識を解説
ロレックスは、世界中で高い人気を誇る高級腕時計ブランドです。そのようなロレックスの腕時計を購入すると発行される保証書(ギャランティーカード)には、大切な役割があります。
そこで今回は、ロレックスの保証書の役割や、発行された時期別の保証書の種類などを紹介します。また、「ロレックスの保証書は再発行できるのか」「名義変更はできるのか」などの疑問や、買取時のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ロレックスの保証書(ギャランティーカード)とは
ロレックスを購入した際に発行される保証書は、「正規店で購入した」という証明書の役割を果たします。保証や担保する書類という意味の「ギャランティーカード」とも呼ばれており、保証書があれば本物であることがわかります。
また、保証書は不具合が発生した際に、修理を無料で受けるためにも必要です。ロレックスの腕時計は、保証書を提示することで購入日から5年間、無料で修理を受けられます。並行店で購入した場合は、販売店が業者から買い付けを行った日から、保証が開始されます。
ただし、通常使用で時計に不具合が出た場合や誤った使用方法をした場合は保証対象外です。さらに、保証期間の5年が過ぎると、修理に必要な費用は自費で支払わなくてはいけません。
ロレックスの保証書(ギャランティーカード)の種類
ロレックスの保証書(ギャランティーカード)には、いくつかの種類があります。これまでに発行された4種類の保証書について、特徴や保証内容を解説します。
紙の保証書
「紙タイプ」の保証書は、1980年代から2006年頃まで発行されていた保証書で、細かく分けるとさらに2種類あります。
記載されている情報は、「シリアルナンバー」「型番」「国番号」「購入者」「購入日」「購入した店舗」です。パンチングで数字の穴を開けてあったり、購入店のスタンプが押してあったり、シリアルのシールが貼ってあったりと、販売している国ごとに記載方法が異なります。使用されている文字は、英語とフランス語です。
また、偽造防止対策も施されています。判断しにくいですが、保証書を光にかざしてみると、ロレックスの王冠マークが透けて見える仕組みになっています。
濃い緑色と白色のカードの保証書
2006年頃には紙タイプから「濃い緑色と白色のカードタイプ」の保証書に切り替わり、2014年頃まで使用されていました。グリーンとゴールドを交えた、高級感のあるデザインが特徴です。
カードの表面に「国番号」「型番」「シリアルナンバー」「モデル名」、裏面には「購入した店舗」「購入者」「購入日」が記載されています。紙の保証書にはなかった、モデル名の記載が追加されました。
また、このタイプの保証書にも偽造防止対策が施されており、ブラックライトを当てると偽造防止用のホログラムが浮かび上がります。偽物の保証書にはできない加工で、最新の保証書にも同じブラックライト加工が採用されています。
緑色と白色のカードの保証書
現在より1世代前の保証書は、「白色をメインに緑色をあしらったカードタイプ」です。2014年頃から2020年頃まで使用されており、表面はホワイト、裏は緑を基調とした上品な仕上がりになっています。
表面に「型番」「シリアルナンバー」「ブレスや文字盤」、裏面に「国番号」「購入した店舗」「購入者」「購入日」が記載されています。以前の保証書に記載されていたモデル名がなくなり、代わりに素材や文字盤の色など、時計の詳細が記載されるようになりました。このカードにも偽造防止対策として、ブラックライト加工が施されています。
緑色のカードの保証書
現行の「緑色のカードタイプ」の保証書は、2020年7月から発行されており、深い緑色に金色のロゴが入ったシンプルでスタイリッシュなデザインのカードです。
旧タイプの保証書と異なり、裏面に「型番」「シリアルナンバー」「購入日」のみが記載されています。個人情報流出の懸念から、購入者名や国番号、購入した店舗などの情報は記載されなくなりました。
また最大の変更点として、NFCタグ(ICチップ)が採用されたことが挙げられます。ロレックス本部が、NFCタグ(ICチップ)にて情報を管理するようになり、リーダーアプリを起動させてカードをスキャンすると、ロレックスの公式サイトに接続できる機能が追加されました。この保証書も、偽造防止対策のブラックライト加工が旧タイプ同様に施されています。
ロレックスの保証書の発行国番号を紹介
ロレックスの保証書には「国番号」が記載されています。この3桁の数字は出荷国番号となり、「どこの国で発行された保証書か」「最初に販売されていた国や地域はどこか」などの情報がわかります。一部番号を紹介するので、参考にしてください。
番号 | 国名 | 番号 | 国名 |
10 | スイス(ブッフェラー) | 413 | 韓国 |
37・39・44・45・61・62 | スイス | 410 | 日本 |
110・112・113・119 | フランス | 612 | エジプト |
150 | スペイン | 710 | アメリカ |
330 | ロシア | 780 | ブラジル |
408 | 韓国(ソウル) | 801・802・803 | 中国 |
なお、日本の番号は410ですが、2004年以前は900でした。1つの国に複数の出荷国番号が存在することもあり、番号が異なるから偽物とは限りません。
ロレックスの保証書に関するよくある質問
ロレックスの保証書(ギャランティーカード)に関して、よくある疑問を紹介します。知っておかないと、いざというときに困るものもあるため、ぜひチェックしてみてください。
ロレックスの保証書の再発行や名義変更は可能か
ロレックスの保証書は残念ながら、いかなる理由であっても、再発行はできません。名義変更も同様に不可能です。
ロレックスは世界中で人気が高いブランドのため、時計の改ざん品やコピー、偽造された保証書などが出回っています。そのため、不正利用や改ざんを防ぐ目的で、ロレックスでは「時計1本に対して保証書は1枚のみ」という厳格なルールを設けています。
そのため、ロレックスの腕時計を購入した際は、保証書もしっかりと保管しておきましょう。
ロレックスの保証書がない場合は買取が不利になるのか
保証書は、ロレックスの腕時計が本物であることを証明するためのものです。先述したとおり、1本の時計につき1枚しか発行されず、替えがきかないため、保証書の有無は査定額に大きく影響します。
また、保証書だけではなく、純正の箱やその他冊子類などの付属品がすべてそろっていることも、高価買取を実現させるポイントです。
名前が消されているロレックスの保証書だと効力がないのか
中古でロレックスを購入した場合、保証書の「購入者」の部分が消されていることがあります。個人情報保護の観点から、前に購入した人の名前を読めないようにするため、販売店が塗りつぶしているのです。
基本的に名前の部分が塗りつぶしてあっても、保証書の効力は変わりません。
しかし、海外のバイヤーや一部業者は、名前が消されている保証書を嫌う傾向があります。海外から仕入れたロレックス腕時計の保証書は、空白であるケースが多く、日本のように名前を塗りつぶした保証書はあまりありません。
もしも、海外への売却を将来的に考えている場合は、保証書の名前欄の状態確認をしておくことをおすすめします。
ロレックス正規店でオーバーホールを依頼すると保証の延長が可能
日本国内のロレックス正規店でオーバーホールを依頼すると、修理証明書である「国際サービス保証書」が発行され、ロレックスの保証期間を2年間延長できます。
オーバーホールとは、時計を長期間使用するためのメンテナンス作業で、ロレックスはオーバーホールの定期的な実施を推奨しています。ロレックスの腕時計は精密であるため、3~5年に一度は全体のメンテナンスを依頼しましょう。
オーバーホールは無料サポートの対象外のため、自費で支払わなくてはいけませんが、大切な腕時計を長く愛用するためにも定期的に行うことをおすすめします。
保証書以外でロレックスを高く売るためのポイント
保証書があると高額買取が期待できますが、ほかにもロレックスの腕時計を高く売るためのポイントがあります。ここでは、主なポイントを3つ紹介します。
事前に相場を確認する
まずは、事前に相場を確認しましょう。インターネットで検索したり、複数の買取業者に査定を依頼したりして、自分のロレックスが現状どのくらいの金額で売れるかを確認することが大切です。相場を把握していれば、万が一査定額が低すぎる場合にその場で気づけます。
また、ロレックスは海外ブランドであるため、為替の影響で販売価格が変わりやすい点にも注意が必要です。経済情勢も考慮しながら相場を確認し、自分が納得したタイミングで買取を依頼しましょう。
信頼できる買取業者を見つける
買取を依頼する際には、必ず信頼できる業者を見つけましょう。残念ながら、買取業者のなかには悪徳業者も存在し、査定額が低すぎたり、高額な手数料をとられたりと、さまざまなトラブルが起こるケースもあります。
優良な業者を見つけるためのポイントは、まずその店舗の買取実績をチェックすることです。多くの店舗では、ホームページに買取実績を掲載しています。また、専門の査定士やロレックス鑑定士が在籍しているかも確認しましょう。
そのほか、問い合わせや来店時の対応が丁寧であるか、きちんと状態や査定内容を説明してくれるかなども確認し、安心して買取を任せられる店舗に依頼してください。
箱や説明書などの付属品も一緒に提出する
保証書(ギャランティーカード)はもちろん、純正の箱や説明書、その他の冊子類などを一緒に提出することで、より高く買い取ってもらえる可能性があります。
中古の腕時計を求める方のなかには、箱や説明書が入った完品状態のものを探している方もいます。そのため、付属品があるほど基本的には高額で買い取ってもらえる傾向にあるのです。購入してからはロレックス本体はもちろん、箱や付属品もなくさないよう管理しておきましょう。
ロレックスの保証書は製品が本物である証明になる
ロレックスの保証書は、その腕時計が本物であることを証明する大切なカードです。偽造防止対策や情報管理がされている保証書は、唯一無二のロレックスの価値を証明すると同時に、メンテナンス期間も保証してくれます。
ロレックスを手放す際にも、高価買取につなげるために欠かせない書類です。ロレックスを購入したときは、付属品と合わせて、保証書を大切に保管しておきましょう。
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