【時計職人に聞く】Part.15 オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)のニセモノにご注意!!
前々回の【時計職人に聞く】Part.13 ニセモノの時計の見分け方。Chanel J12 編でご紹介しましたシャネルJ12のコピー品に引き続き今回はかなり精巧につくられたオーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)オフショアダイバー15703ST.OO.A002CA.01のコピー品を目にする機会がありましたのでご紹介いたします。
憧れの高級腕時計オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)を今後ご予定されていらっしゃる方も、そうでない方も、高級腕時計のご購入の際には少しでも知識としてあると、もしかしたらまがい物を購入してしまうという災難を未然に防ぐことができるかもしれません。
私たちとしては、このような情報提供をしていくことで、お客様がよりお買い物を安全安心に楽しんで頂けるようにしていきたいと考えております。
それでは実際にどんな時計なのかを順を追ってご紹介していきましょう。
第15回のお題目は以下の通り↓↓
■目次
【時計職人に聞く】Part.15 オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)のニセモノにご注意!!
1.文字盤を見て「本物」か「ニセモノ」かわかりますか?
2.見分け方のポイント~ボックス編~
3.見分け方のポイント~保証書編~
4.見分け方のポイント~ムーブメント編~
5.見分け方のポイント~精度ってどうなの?~
1.文字盤を見て「本物」か「ニセモノ」かわかりますか?
早速、こちらの文字盤と雰囲気を見て「本物」か「ニセモノ」かどちらだと思いますか?
「答えは」心に思い浮かべたままで、次の画像に行ってみましょう!
最後に衝撃の発表をします。
記事の途中で正解できる人は多分かなりの時計通で間違いないでしょう!
次は裏面からの確認です。
ちゃんとロイヤルオークの刻印やオフショアの刻印もありますね。
バックル部分。
APのロゴマークも綺麗に入っていますね。
続いて、ベルトラバー部分。
こちらにもオーデマピゲの刻印、
ロイヤルオークオフショアの刻印が綺麗に入っています。
リュウズ部分もちゃんと六角形のデザインですね。
最後に夜光も確認してみます。
画像の質上で少し夜光が薄い気もしますが、
ほとんど問題もないように感じます。
2.見分け方のポイント~ボックス編~
さて、ボックスですが、左右で少し色が違います。
ちなみに、画像左の色が薄い方が本物のボックスになります。
右側の色が濃い方が本物かなと感じますが、実際には箱の表面の質感がのぺーっとしていて例えるならばペンキをベタ塗りしたようなイメージです。
一方左側は表面に少しざらつきというかマットな質感です。
ロゴのアップも綺麗に印字されていますが、本物かニセモノか箱に関しては判別がつきません。しかし手前の箱を開ける際のプッシュボタンは立て付けが悪いのか曲がっていました。それと、中央の枕部分ですが、何個か見比べてみたものに対しておさまりが低い位置にあるように感じました。
3.見分け方のポイント~保証書編~
保証書と説明書についても見比べていきましょう。
これはたぶん、比較するものが隣に無いとかなり分かりにくいのではないでしょうか?
まずは表紙から、上の2冊と下の2冊がセットになります。
上の方がコントラストが強くくっきりとした印象です。下の方は少し淡い濃淡で仕上げられていて、ムーブメントの絵もほとんど同じですよね?
文字の大きさや印刷されている文字数は若干違いがあります。
上が「ニセモノ」
下が「本物」
です。
次に表紙をめくったところ。これもほとんど同じ構成でどっちが「本物」でどっちが「ニセモノ」かわからないですね。
上が「ニセモノ」
下が「本物」
です。
もう少しページをめくってみて同じような記載のページがありましたので比較してみます。左右の挿絵も一緒ですし、ぱっと見た印象では印刷されている文章も同じに見えます。差し込みの画像は下の方が濃い色あいです。
↑文字部分をアップで。「ニセモノ」
↑文字部分をアップで。「本物」
↑対象詳細部分をアップで。「ニセモノ」
↑対象詳細部分をアップで。「本物」
最後にギャランティーの刻印部分を比較していきましょう。
両方ともにちゃんと時計のモデルの型番やシリアルなども記載されていました。
1枚目の色が濃い方が「ニセモノ」。
2枚目の色が淡い方が「本物」。
になります。
4.見分け方のポイント~ムーブメント編~
時計の裏蓋をあけてムーブメントがどうかも見ていきます。
ネジもちゃんとしっかりしていて、ネジ山の高さなども揃っていました。
裏蓋の中央部分の梨地の加工も綺麗にされています。
ゴムパッキンもちゃんとはまっていますし、内側の蓋もちゃんとパーツがあります。
そして心臓部分ですね!!
ローター部分にもちゃんとブランドの刻印があります。
ですが、よく見ると・・・・
「あれっ」ムーブメントが違う・・・・
これは分解を進めて確認するとETA社の汎用ムーブメントが使われていまいた。
裏蓋を開けて、ここまで分解を進めてみて初めてニセモノだと判明しました。
検品時に、インナーベゼルのダイアルの調子がおかしく原因を探ってみようと作業していく中で今回のことが分かりました。
それに伴って、付属品の箱や保証書、取り扱い説明書なども確認していくとやっぱり「オカシイ・・・」ということでニセモノであることが確定しました。
今回のように外見上は全く本物と瓜二つだけれども中身は全然別物だったという時計もあります。購入前にきちんと検品なりチェックをしたものを取り扱いしているお店を選ぶことが重要かもしれませんね。
中には検品はしていて、精度は保たれている。
でもしかし「本物」と「ニセモノ」の判別が経験と情報が無いためにできないということも可能性としてはあり得る話です。
5.見分け方のポイント~精度ってどうなの?~
最後に、時計自体の精度はどうだったか?というと・・・
精度自体はすこぶる良好ではありました・・・
みなさまご購入の際には、十分信頼できるお店でお買い物をされることをオススメ致します。
前回の記事はコチラ>>>【時計職人に聞く】Part.14 「時計職人と言われる職人たち。(続編)
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