ロレックスのベゼルの交換方法を解説|交換を依頼する際の費用相場も紹介
ロレックスにはさまざまな機能・デザインのベゼルが採用されています。
長年の使用によりベゼルの劣化が気になる、見た目の雰囲気を変えたいなどの理由で、ベゼルを交換したいと考える方も多いのではないでしょうか。ベゼルの交換はロレックスの正規店でも可能ですが、自分での交換することも可能です。
そこで今回は、ベゼル交換を正規店で行った場合の費用相場や注意点、自分で交換する手順について解説します。
ロレックスのベゼルの特徴
「ベゼル」とは、風防(文字盤を覆うガラス部分)を囲むリング状のパーツのことです。ベゼルには風防を固定して安定させる役割があり、時計内部にチリやホコリが入らないように保護しています。
とくにロレックスは、ベゼルのデザインにこだわりを持つブランドです。ロレックスのベゼルは大きく2種類に分けられ、機能性を持たせたものとデザイン性を重視したものが存在します。
機能性を持たせたベゼルには、時速計算機能のついた「タキベゼル」や、ベゼル独自で回転する「回転ベゼル」などがあります。
一方でデザイン性を重視したベゼルは、表面が鏡面に仕上げられたシンプルな「ポリッシュドベゼル」、ベゼル全体に縦縞の模様が入ったように見える「フルーテッドベゼル」などが代表的です。
ロレックスのベゼルの交換が必要なケース
ベゼルに問題が起こると、時計の性能が落ちたり、見た目が悪くなったりするおそれがあります。しかし、ベゼルを交換するタイミングがいまいちわからない方もいるでしょう。
ここでは、ロレックスのベゼルを交換したほうが良いケースを解説します。
ベゼルがスムーズにまわらないとき
ベゼルに多い不具合として、回転の鈍化が挙げられます。ベゼルがスムーズにまわりにくいときは、交換する必要があるでしょう。
ただし、ベゼルの歯車についた汚れや摩擦が原因でまわらなくなっているケースも考えられます。その場合は、腕時計内部の掃除をすれば直る可能性があります。
時計を分解して洗浄、メンテナンスを行うオーバーホールを依頼すれば、時計内部の汚れやサビを落とせるほか、不具合の原因の特定も可能です。ベゼルがスムーズに回転しない場合は、まずオーバーホールの依頼を検討してみましょう。
ベゼルが変色しているとき
ロレックスを長く愛用していると、ベゼルが変色してしまうことがあります。時計の部品のなかでも、ベゼルは紫外線の影響によって経年劣化しやすいためです。
とくに「タキベゼル」や「回転ベゼル」のような目盛りが書かれているベゼルは、彫りに塗られたインクが消えてしまうと時刻が認識しづらくなります。また、デザイン性重視のベゼルが変色すると、見た目の印象が変わってしまうおそれもあります。
ベゼルが変色して時刻の見にくさや印象の変化が気になってきたら、ベゼルを交換するタイミングといえるでしょう。
ベゼルの破損や傷がついたとき
ベゼルが破損したり、傷がついたりしたときも交換が必要な場合があります。ベゼルの破損や傷は、時計の外観を大きく損なうおそれがあるためです。
小さな傷であれば研磨で修復できるケースもありますが、大きな破損や深い傷がついている場合は交換が必要となるでしょう。
ベゼルは外からのダメージを受けやすい部品のため、アクティブに動き回る方は、とくに取り扱いに注意しなければなりません。
ロレックスのベゼル交換は見た目を変えたい人にもおすすめ
ベゼルの交換は、ロレックスの見た目や雰囲気を変えたいときにもおすすめです。
腕時計の見た目や雰囲気を変えたいときは、買い替えを検討する方が多いでしょう。しかし、新たに腕時計を購入するのは金銭的に難しい場合もあります。
その点、ベゼルのみを交換すれば、買い替えるよりも低コストで別の時計のような見た目や雰囲気になります。長年愛用する腕時計のデザインに飽きてしまった方は、ベゼルの交換を検討してみましょう。
ロレックスのベゼルを正規店で交換する際の費用相場と期間
ロレックスのベゼルは正規店で交換できます。ここでは、正規店でベゼルを交換するときにかかる費用の内訳や相場、期間について解説します。
基本的な技術料
正規店にベゼル交換を依頼すると、一般的に基本技術料がかかります。なぜなら、正規店では単にベゼルを交換するだけではなく、腕時計の内部の分解・洗浄なども行うためです。
正規店での修理や交換は高い品質が保証されています。そのため、細かな部品まで分解して、洗浄(オーバーホール)をしてもらえます。
腕時計の内部まで点検してもらえるため、新しいベゼルもしっかりとはまり、不具合が起こりづらくなるでしょう。
正規店の基本技術料は、ロレックスの年式やモデル、状態によって異なりますが、5万〜10万円が目安です。
ベゼル交換工賃と部品代が必要
正規店でのベゼル交換は、基本技術料にプラスして、ベゼル交換工賃と部品代がかかります。ベゼル交換工賃は約5万円、部品代はモデルによって異なり、5万〜20万円程度と幅があります。
そのため、正規店にベゼル交換を依頼すると、基本技術料を含めて総額で15万〜35万円ほどかかる可能性があるでしょう。
ただし、正規店ではベゼルのみではなく、周辺パーツも一緒に交換をすすめられる場合もあります。ベゼルのみを交換すると、既存の周辺パーツと噛み合わず、はまらないケースがあるためです。
周辺パーツも一緒に交換すると、部品代がさらにかかる点に注意が必要です。
ベゼル交換にかかる期間
正規店にベゼル交換を依頼すると、約1カ月かかります。前述したとおり、正規店に依頼すると分解・洗浄などのオーバーホールが必要となるためです。
さらに、ロレックスは世界的に人気が高く、部品の供給不足が続いています。そのため、正規店にベゼル交換を依頼しても必要な部品がすぐに見つからず、完了までに長い時間を要するケースもあります。目安は1カ月ですが、場合によっては1カ月以上かかることもふまえて依頼を検討しましょう。
ロレックスのベゼル交換を正規店で断られるケース
ロレックス正規店ではすべての依頼を受け付けてもらえるわけではなく、ベゼル交換を断られる可能性もあります。ここでは、正規店でベゼル交換を断られるケースを紹介します。
社外パーツが装着されている
社外パーツが装着されていると、正規店ではベゼル交換を受け付けてもらえません。時計本体はロレックス正規店で購入したものでも、社外パーツが1箇所でも取り付けてあると改造品とみなされるためです。
ベゼル交換を依頼する際には、過去にパーツを社外品のものに交換したことがないかを確認しておく必要があります。社外パーツが取り付けられている場合は、民間の時計修理専門店に相談するか、自分で交換することを検討してみましょう。
本物のロレックスではない
当然ですが、ロレックスが偽物だった場合、正規店ではベゼル交換を行えません。偽物品と知らずに購入し、正規店で修理・交換を依頼したら、実は本物ではなかったということが判明するケースもあります。
逆にいうと、正規店で受け付けてもらえた場合は「本物のロレックスだ」という証拠になります。また、正規店に修理・交換作業を依頼すると、完了時に「オーバーホール証明書」が発行されるため、捨てずに保管しておきましょう。
オーバーホールを定期的に受けていない
定期的にオーバーホールを受けていないロレックスも、正規店ではベゼル交換ができない可能性があります。定期的にオーバーホールをしていないということは、メンテナンスが不十分であることを意味し、状態が悪いと判断されてしまうからです。
ロレックスでは3〜5年に1回程度、オーバーホールを行うことが推奨されています。正規店にベゼル交換を依頼したい場合は、定期的にオーバーホールを行い、常にロレックスを良い状態に保っておく必要があります。
ロレックスのベゼルは自分で交換もできる
ロレックスのベゼルは自分で交換することも可能です。正規店にベゼル交換を依頼すると、それなりの費用と時間がかかります。
交換用のベゼルを持っている、または入手できる場合は、道具を準備すれば交換できるため、交換費用を削減することが可能です。
ただし、自分でベゼルを交換すると時計に傷がついてしまったり、うまくつけられなかったりといったトラブルのリスクが考えられます。
そのため、できればベゼル交換は正規店または時計修理専門店に依頼するようにしましょう。
どうしても自分でベゼル交換を行いたいという場合は、あくまで自己責任で行うことをおすすめします。
もしベゼルを自分で交換する場合は、事前に交換用のベゼルと「こじあけ」と呼ばれる道具を準備しましょう。こじあけはネットショップなどで、500円前後で購入することが可能です。
また、時計を保護するためにセロハンテープや紙テープも用意しておきます。
ここでは、GMTマスターのベゼルを自分で交換する方法を解説します。
ベゼルを外す手順
まず、時計本体に取り付けられている既存のベゼルを外します。
作業前に「こじあけ」の先端にセロハンテープを貼り、時計と接触しても傷がつかないようにしておきましょう。
続いて、ベゼルとケースの間に「こじあけ」を差し込み、ベゼルを持ち上げるようにして外します。ベゼルを外すときに力を入れすぎるとベゼルや周辺パーツが飛んでいってしまうため、力加減に注意してください。
ベゼルを外したら、パーツを分解します。時計本体から円状のパーツ「スプリング」と、上部についている「バネ」を外しましょう。ベゼルについている「ベゼルプレート」も外してください。ベゼルプレートは親指で押し出せば、簡単に外れます。
全部で5つのパーツに分解できたら取り外し完了です。
ベゼルを交換する手順
続いて、新しいベゼルを取り付けていきます。
まずは、時計本体にスプリング、バネの順番で取り付けます。バネは時計の5分ぐらいの位置にある小さい穴に、先端が直角になっているほうを差し込みながら取り付けましょう。
スプリングとバネを装着できたら、ベゼルプレートを取り付けます。親指で押し込むと「パチ」と音がして固定されます。ベゼルプレートを装着したら回転させて、バネとベゼルプレートが噛み合うかをチェックしてください。
最後に新しいベゼルを取り付けます。
ベゼルを被せて、360度満遍なく親指で押し込んでください。「パチ」と音がして固定されれば、交換完了です。
ロレックスのベゼルを自分で交換する際の注意点
ロレックスのベゼルを自分で交換する際には、いくつか知っておきたい注意点があります。ベゼルを自分で交換する場合は、必ず注意点を確認してから行うようにしてください。
金属面に傷がつかないように注意が必要
ロレックスのベゼルを自分で交換する際は、金属面を傷つけないように工夫しましょう。こじあけは金属でできているため、ベゼルを外すときに誤って時計本体を傷つけるおそれがあります。
事前にこじあけをセロハンテープで巻くほか、時計本体にもテープを貼っておけば傷つけずに済むため安心です。
また、ベゼルを交換するときは、できるだけ広いスペースで行いましょう。腕時計は小さなパーツで構成された精密機械です。パーツが一つでも紛失してしまうと、動かなくなる可能性があります。
部品交換はできるだけメーカー純正品を使用する
ベゼルを含むパーツは、メーカー純正品を使うのがおすすめです。前述したとおり、メーカー外のパーツや交換用ベゼルを取り付けていると、ロレックス正規店では改造品とみなされて、今後オーバーホールや修理依頼を受け付けてもらえません。時計修理専門店においても受け付けてもらえない可能性があります。
定期的に行うオーバーホールや修理依頼をきちんと受け付けてもらえるように、できる限り交換用のベゼルやパーツはメーカー純正品を使用しましょう。
安全にベゼル交換をしたいなら修理専門店に依頼しよう
ロレックスのベゼル交換を安全に行いたいのであれば、時計修理専門店に依頼しましょう。
ベゼル交換には、正確に行える作業スキルと専門知識が必要です。自分で交換することも可能ですが、簡単ではありません。工具を使ってベゼルを外そうとしたら、ベゼル周辺のパーツが変形したり、時計本体に傷をつけてしまったりするケースもあります。
とくに「ロレックスデイトジャスト」のベゼル交換は専門技術を要するため注意してください。ほとんどが材質の柔らかい18金でできており、専用工具を使用しないとベゼルが変形してしまう危険性があります。
トラブルを避けるためにも、プロである時計修理専門店に任せるのがおすすめです。
ロレックスのベゼルは交換ができる
ロレックスのベゼル交換は正規店や時計修理専門店でも可能ですが、自分でも交換できます。自分でベゼルを交換する際は、傷や部品紛失のリスクなどに注意しながら手順に沿って作業しましょう。
ただし、ロレックスのモデルによっては、専門知識や専用工具が必要となります。安易に自分で行うと、ベゼルが変形する危険もあるため注意してください。
ベゼル交換を失敗なく安全に行いたい方は、費用や時間がかかっても正規店や時計修理専門店といったプロに任せましょう。
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