オメガのコーアクシャル機構の特徴｜搭載モデルも紹介
高級腕時計のなかでも、優れた耐久性と高い精度を誇るオメガ。そのようなオメガの腕時計に採用されている画期的な技術がコーアクシャル機構です。
今回は、オメガの腕時計のみが採用しているコーアクシャル機構の仕組みや歩んできた歴史について解説します。また、コーアクシャル機構を採用することで得られるメリットや、コーアクシャル機構を搭載している腕時計のモデルもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
オメガのコーアクシャル機構とは
コーアクシャル機構とは、時計の駆動部を構成する脱進機（エスケープメント）の機構を指し、正式名称を「コーアクシャル・エスケープメント」といいます。
脱進機構は、「調速機」と「脱進機」で構成される、針の動きや日付の変更といった腕時計の駆動をつかさどるムーブメントです。
コーアクシャルは、従来用いられていたスイスレバー式以来、およそ250年ぶりに発明された革新的な脱進機です。コーアクシャル機構は、スイスレバー方式よりも可動部の摩耗を軽減できることから、メンテナンスサイクルの大幅な延長が可能となりました。
コーアクシャル機構の仕組み
一般的な腕時計に使われるスイスレバー式の脱進機構とコーアクシャル機構の違いは、アンクルの形状とガンギ車の複層化です。
脱進機は、アンクル・ガンギ車・テンプで構成されており、スイスレバー式ではアンクルに付いている2つの爪石がガンギ車と小刻みに接触する構造となっています。この方式では、一定の速度で回転するようにブレーキをかけて調速しなければならないため、部品の消耗が早いことに加えて、性能を維持するために定期的な注油が欠かせません。
一方、コーアクシャル機構では、複数層のガンギ車とアンクルの爪石を3つに増やすことで各部品の摩耗を大幅に減らしています。さらに、エネルギーの伝達効率にも優れており、長期間にわたって高い精度を保つことが可能です。
オメガのコーアクシャル機構はマスタークロノメーター認定に合格している
マスタークロノメーター認定とは、COSC（スイス公式クロノメーター協会）による厳しいテストに合格し、さらにMETAS（スイス連邦軽量・認定局）による8つの厳格なテストをクリアしたムーブメントのみに認定が与えられる制度で、2015年に制定されました。
精度や姿勢差、耐磁性・防水性に関する総合的な厳しい評価基準が設けられています。オメガは、それらの基準をクリアしたモデルのみをマスタークロノメーター規格とし、高い品質を証明する裏付けとしています。
オメガのコーアクシャル機構の歴史
コーアクシャルは、1974年にイギリス人の時計技師ジョージ・ダニエルズによって考案されました。発表当時は画期的なメカニズムとして注目を集めましたが、複雑な構造や製造コストの観点から量産化が難航していました。
そこに目をつけたオメガを傘下に持つスウォッチグループが、1993年にコーアクシャルの技術を買い取り、商品化に向けた開発が始まったのが始まりです。
コーアクシャル機構が考案されてから実に25年の歳月を費やし、1999年に初めてコーアクシャル機構を搭載した「デ・ヴィルコーアクシャル」が発表され、量産化に成功しました。
その後も、コーアクシャル機構を改良しつつ搭載したモデルを順次発表し、現在でも改良が続けられています。
ムーブメントの非磁気化を達成
オメガは時計の磁気帯び対策として、磁束の影響を最も受けやすいムーブメントを構成する部品の非磁気化に成功しています。磁気帯びとは、電子レンジやスピーカー、スマートフォンのような、磁気を発生させる製品に腕時計を近づけると起こる現象です。
内部パーツが磁気帯びによって磁化すると、腕時計の精度低下や動作不良を招いてしまいます。
オメガは、テンワやヒゲゼンマイ、アンクルやガンギ車といった脱進機部分を中心にシリコンなどの非鉄素材とすることで、この磁気帯びによる故障問題を解決しています。2013年には帯磁性能に特化した「オメガ シーマスター アクアテラ 15,000ガウス（Ref. 231.10.42.21.01.002）」を発表しました。
マスタークロノメーターの誕生
初めてマスタークロノメーター認定となったモデルは、2015年発売のコンステレーショングローブマスターです。
オメガにおいてマスタークロノメーター認定規格のモデルは、COSC（スイス公式クロノメーター検定協会）の認定を受けたあと、METAS（スイス連邦軽量・認定局）による8つの厳しいテストをクリアしたムーブメントを搭載していることが条件となります。
つまり、マスタークロノメーター規格とは、最高水準の精度と厳しい認定基準を満たした製品だと認められた証のようなものです。厳しい審査を経て認定されたマスタークロノメーター規格モデルは、高い品質が保証されているといえるでしょう。
オメガのコーアクシャル機構が優れている点
オメガのコーアクシャル機構は、設計段階から部品の消耗を抑えることを基本とした開発を進めていたことによって、ムーブメントの負荷を軽減することに成功しました。その結果、コーアクシャル機構はユーザーにもさまざまな恩恵をもたらしています。
ここでは、オメガのコーアクシャル機構が優れている3つの理由について解説します。
パーツの摩耗が少ない
コーアクシャル機構は、一般的な機械式腕時計よりも機械摩擦を軽減できるため、ムーブメントを構成している各部品の摩耗を抑えることが可能です。
腕時計は一時も休むことなく24時間365日動き続けるため、わずかな機械摩擦でも蓄積することで部品に負荷がかかり、最終的には壊れてしまいます。
コーアクシャル機構特有のガンギ車を同軸上に重ねた構造と、爪石を増やしたアンクル形状によって、パーツ同士のエネルギーが分散され、パーツの摩耗が少なくなることからパーツの延命化につながっています。
オーバーホールのサイクルが長い
オメガのコーアクシャルはパーツの摩耗が少ないため、一般的な機械式腕時計よりもオーバーホールのサイクルが長いこともメリットです。
一般的な機械式腕時計は、3～5年に一度、パーツの摩耗による不具合や精度の低下を防ぐためのオーバーホールが推奨されています。
一方、オメガの公式サイトでは、5～8年に一度のコンプリートメンテナンスを勧めており、オーバーホールのサイクルが1.5倍から2倍ほど長くなります。
実際にオーバーホールをするまでのサイクルを伸ばしているユーザーがいることも、それだけコーアクシャルに寄せる信頼の裏返しといえるでしょう。
高い耐磁性がある
耐磁性に優れていることもコーアクシャルのメリットです。磁気を多く出しているデジタル家電に囲まれた生活において、腕時計は磁気帯びによる故障リスクを常に抱えている状態といえます。
オメガでは、磁気の影響を受けやすいパーツに非鉄素材を用いて耐磁性を高めることで、磁気帯びリスクの払拭に成功しているのです。
デジタル家電のなかでも、とくに腕時計に近づけてしまう可能性が高いスマートフォンは0cmの距離で200ガウスありますが、コーアクシャルは1,000ガウスまでの耐磁性を有しています。そのため、日常生活において磁気帯びに不安を抱く心配はあまりありません。
さらに、強力な耐磁性を有するマスターコーアクシャルモデルは、15,000ガウスの耐磁性を実現しています。
オメガのコーアクシャル機構搭載腕時計モデルを紹介
オメガでは、ほぼすべての現行モデルにコーアクシャル機構を搭載しており、精度・耐久性ともに申し分なく実用的に使用できます。また、高度な技術を駆使して作られていますが、生産体制を整えて量産化しているため、価格を抑えたモデルが多いのも魅力です。
ここでは、オメガのコーアクシャル機構を搭載している腕時計を6つ紹介します。
シーマスター 300 マスター コーアクシャル クロノメーター 41MM 233.60.41.21.03.001
オメガのシーマスターは、ダイバーズウォッチの代名詞ともいえる歴史あるコレクションです。そのなかでも「シーマスター 300 マスター コーアクシャル クロノメーター 41MM 233.60.41.21.03.001」は、1957年に発売された初代シーマスター300Mのデザインを受け継ぎながら、最新の技術と素材で仕上げられた逸品となります。
このモデルは、ブルーのサンドブラスト仕上げのダイアルに、18Kセドナゴールドの針とインデックスが映える美しい配色です。針とインデックスには、暗闇でも視認性を高めるスーパールミノヴァが塗布されています。
ケースは、軽量で耐食性に優れたグレード5チタン製で、直径は41mmです。ケースバックはサファイアクリスタルで透明になっており、コーアクシャル機構の精巧な動きを眺められます。
ブレスレットもグレード5チタン製で、着け心地の良さと耐久性を兼ね備えているといえるでしょう。防水性能は300mと、プロフェッショナルなダイビングにも対応できるレベルです。
このモデルは、ダイバーズウォッチの最高峰といえるでしょう。ヴィンテージ感とモダンさを併せ持つデザインは、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで活躍します。
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シーマスター アクアテラ 150M マスター コーアクシャル クロノメーター 41.5MM
231.12.42.21.01.002
オメガの海洋遺産に敬意を表した「シーマスター アクアテラ 150M マスター コーアクシャル クロノメーター41.5MM」は、洗練されたデザインと高い機能性を兼ね備えた逸品です。
ブラックダイアルには、オメガの伝統的な「チークコンセプト」を採用し、縦縞模様が美しい光沢を放ちます。3時位置には日付表示があり、視認性も抜群です。
ケースは耐久性の高いステンレススティール製で、直径は41.5mmです。ベージュのステッチが施されたブラウンのレザーストラップとの相性も抜群で、カジュアルからビジネスまで幅広いシーンでお使いいただけます。
ムーブメントには、オメガの独自技術であるコーアクシャル機構を搭載したキャリバー8500を採用しています。
シーマスター アクアテラ 150M マスター コーアクシャル クロノメーター41.5MMは、オメガの海洋遺産にふさわしい、高品質で高級感のある腕時計です。
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スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル コーアクシャル マスター クロノメーター クロノグラフ 42MM 310.63.42.50.10.001
このモデルは、オメガの最高峰の技術と素材を結集した、まさに究極のムーンウォッチです。ケースとブレスレットは、オメガが特許を取得した18Kセドナゴールド製で、美しくも耐久性に優れた合金を使用しています。ダイアルは、月の表面をイメージしたグレーのセラミック製で、レーザー加工によって細かな模様が施されているのが特徴です。また、針とインデックスは18Kセドナゴールド製で、夜光塗料が塗られています。
ケースバックには、サファイアクリスタルがはめ込まれており、ムーブメントの動きを眺めることが可能です。また、ケースバックには、「APOLLO 11 50th ANNIVERSARY」と「LIMITED EDITION」という文字が刻印されており、1969年のアポロ11号月面着陸の50周年を記念した限定モデルであることを示しています。
このモデルは、月に憧れるすべての人におすすめの、まさに夢のような一本といえます。
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シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル クロノグラフ 231.53.44.50.06.001
オメガの海洋遺産に敬意を表した「シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル クロノグラフ」は、洗練された美しさと高性能を兼ね備えた逸品です。
文字盤は、ヨットのウッドデッキをイメージしたチークコンセプトのグレーで、3つのサブダイアルが配置されたクロノグラフ機能と、6時位置に日付表示があります。シースルーバックからは、オメガの革新的な技術であるコーアクシャル機構を備えたキャリバー3313が見えるでしょう。このムーブメントは、コラムホイール機構やフリースプラングテンプを採用し、精度と耐久性に優れています。
ケースは、18Kピングゴールド製で、直径は44mmです。サファイア・クリスタルガラスは、傷に強く、反射防止処理が施されています。レザーベルトは、ブラックのカーフで、折り畳み式のバックルが付いています。またこのモデルは、150mの防水性能を持っており、オメガの海洋精神を感じさせる一本といえるでしょう。
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デ・ヴィル コーアクシャル クロノメーター 424.10.37.20.03.001
オメガのみが採用する革新的なコーアクシャル機構を搭載した、デ・ヴィル コーアクシャル クロノメーター。
このモデルは、クラシックで洗練されたデザインが魅力的です。ブルーのサンブラッシュ仕上げのダイアルは、2つのゾーンに分かれており、3時位置には日付表示があります。ダイアルは、傷に強いサファイア・クリスタルガラスで覆われており、裏面にはオメガのロゴが刻印されているのが特徴です。36.8mmのケースとブレスレットは、ステンレススティール製で、耐久性と輝きを兼ね備えています。
このモデルは、高いパフォーマンスとエレガントなスタイルを求める方におすすめです。
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シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル 38.5 MM 231.13.39.21.55.001
このモデルは、ホワイトマザーオブパール製のダイアルにダイヤモンドのインデックスをあしらった、上品で華やかなデザインが魅力的です。ダイアルには、豪華なヨットのウッドデッキをイメージしたチークコンセプトの縦縞模様が施されており、海を感じさせるアクセントになっています。また、3時位置には日付表示があり、機能性も充実しています。
ケースは、傷に強いサファイア・クリスタルガラスで覆われているため、美しい仕上がりが長く続くでしょう。裏蓋からは、オメガの自慢のコーアクシャルキャリバー8500が見えます。
ベルトは、ホワイトのレザー素材で、ダイアルとのコントラストが美しいです。ケースは、ステンレススティール製で、38.5mmのサイズ感が女性らしい印象を与えます。このモデルは、150mの防水性能も備えており、日常使いにも安心です。
シーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル 38.5 MM 231.13.39.21.55.001は、オメガの最新技術とエレガンスを兼ね備えた、魅力的な一本です。
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コーアクシャルはオメガの腕時計だけに使われている機構
コーアクシャルは、オメガが長年の歳月を費やして商品化した高い精度を誇るメカニズムで、オメガの腕時計だけに採用されている脱進機です。
脱進機を構成しているパーツの摩耗を抑えることによって、オーバーホールのサイクルを延ばせるほか、構成パーツの非磁気化によって高い帯磁性を有しています。
また、厳しい認定基準をクリアしたマスタークロノメーター規格のモデルであっても、整えられた生産体制によって手が届きやすい価格設定のモデルが多いことも特徴です。
今回ご紹介したモデルを参考に、ぜひお気に入りの一本を探してみてはいかがでしょうか。
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