ロレックスの腕時計である「サンダーバード」の特徴と魅力とは｜歴代モデルも紹介
高級腕時計ブランドのロレックスには、伝統的なモデルだけでなく、個性あふれるシリーズも存在します。その一つが「サンダーバード」と呼ばれるモデルです。
サンダーバードは、エレガントさとスポーティさを兼ね備えた独特の魅力を持つ腕時計です。
そこで今回は、ロレックス サンダーバードの特徴や魅力に加え、おすすめの歴代モデルも紹介します。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
ロレックスのサンダーバードとは
ロレックスの「サンダーバード」とはニックネームで、正確にはロレックスの人気シリーズであるデイトジャストの一つです。このモデルは、デイトジャストのエレガントなデザインに加え、通常はスポーツモデルにのみ搭載される回転ベゼルを取り入れた、特別な魅力を持つ時計です。
サンダーバードの誕生は1956年に遡ります。アメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」の隊長、ドン・フェリス大佐の退任を記念して、特別仕様のモデルが作られたことがきっかけです。このチーム名にちなんで、同様のデザインを持つモデルが「サンダーバード」として親しまれるようになりました。
ロレックスのサンダーバードの特徴
実に半世紀以上もの歴史を持つサンダーバード。発端は記念モデルでしたが、今もなお世界中の人々を惹きつけています。サンダーバードの特徴や魅力について、詳しく見ていきましょう。
不思議なデザイン
サンダーバードの最大の特徴は、ドレスモデルとスポーツモデルの中間に位置する、独特で魅力的なデザインです。この個性的なデザインは、多くの愛好家にとって魅力的で、ファンの心を惹きつけています。
さらに、サンダーバードはバリエーションが豊富で、ブレスレットの種類やパーツの色、インデックスのデザインによってまったく異なる印象です。そのため、さまざまなスタイルに合わせやすく、柔軟性の高いモデルとして人気です。
サンダーバードは他のシリーズとの境界にあるデザインで、どのようなスタイルにも自然に馴染む柔軟な特性を持っているのが特徴といえるでしょう。
第5世代まで続くロングセラーモデル
サンダーバードは、2004年の最終版をもって現在ではすでに生産が終了しているシリーズです。1956年の誕生から人々に愛され続け、5世代にわたってその系譜が受け継がれてきました。
初代モデルは、同じく回転式のベゼルを持つターノグラフを原型として開発され、ベゼルにギザギザ模様の装飾である「クル・ド・パリ」が施されているのが特徴です。第2世代の「Ref.6609」からは、細かなラインが無数に入ったデザインへと変更され、以降は最終版までそのデザインが採用されました。
第3世代の「Ref.1625」は、ムーブメントに名機とうたわれた「Cal.1570」を搭載。ムーブメントが高振動化する第4世代の「Ref.16250」を経て、集大成となった第5世代の「Ref.16264/16263」にて生産終了を迎えます。
ロレックスのサンダーバードとデイトジャストの違い
現行のデイトジャストは、装飾のない鏡面仕上げのスムースベゼル、連続した山型カットが特徴のフルーテッドベゼル、そして貴石をあしらったベゼルの3種類が展開されており、全体的に上品な印象を与えてくれます。しかし、これらのベゼルには回転機能がありません。
一方で、サンダーバードは18Kゴールド製の回転ベゼルを搭載しています。日付表示やケースデザインなど、基本的なデイトジャストの要素はそのままに、スポーティさを加えた回転ベゼルが特徴です。このベゼルによって、サンダーバードは他のモデルとは異なる個性的な存在感を放っています。
ロレックスのサンダーバードとターノグラフの違い
ターノグラフはサンダーバードとよく比較されるモデルで、どちらも回転ベゼルを特徴としていますが、ターノグラフの方が歴史は古く、1953年に初代モデルが登場しました。
外観はサンダーバード同様にデイトジャストに似た雰囲気を持ちますが、よりスポーティなデザインが特徴です。また、ターノグラフはダイバーズウォッチであるサブマリーナーの原型ともいわれていますが、ベゼルの仕様に違いがあります。サブマリーナーのベゼルは一方向にしか回転しないのに対し、ターノグラフは両方向に回転することが可能です。
サンダーバードのベゼルにも目盛りが刻まれていますが、デザインはシンプルで視認性よりも装飾的な要素が強く感じられます。この点が、よりスポーティな印象のターノグラフとの大きな違いです。
ロレックスのサンダーバードの歴代モデルを紹介
サンダーバードは、誕生から生産終了までの間に細かなアップデートが重ねられ、半世紀にもわたって愛されてきたロングセラーモデルです。大幅な変更点はなかったものの、バリエーションが豊富で、製造された年代や時期によって5世代に分けることができます。
これまでに発売されてきたサンダーバードを世代ごとに見ていきましょう。
Ref.6309
初代サンダーバード「Ref.6309」は1956年に発表され、1962年頃まで製造された希少なモデルです。アメリカ空軍アクロバットチーム「サンダーバーズ」の隊長の引退を記念して製作された特別な背景を持ち、その存在はロレックスの中でも特にユニークです。
このモデルは、スポーティさとエレガンスを融合させた中間的なデザインに加え、視認性を重視した大型ケースを採用しているのが特徴です。裏蓋にはセミバブルバックと呼ばれる独特の膨らみがあり、手首に心地よくフィットするデザインが魅力といえるでしょう。また、文字盤には現在とは異なる横長の王冠マークが配されており、当時の時代背景を反映したレトロな美しさが漂います。
「Ref.6309」は、初代モデルとしての歴史的価値が高く、現在市場に出回ることは極めて稀です。そのため、コレクターにとっては非常に魅力的な一品となっています。
Ref.6609
「Ref.6609」は、1958年頃に登場した2代目サンダーバードです。ステンレス製のケースと強化プラスチックの風防を採用し、ムーブメントにはロレックスが初めて開発したマイクロステラスクリューを搭載した「Cal.1065」を備えています。これにより、精度の向上と安定性が図られ、技術的にも進化したモデルとなっています。また、ラグの脚が長めに設計されている点も特徴で、手首に自然なフィット感をもたらすでしょう。
初代「Ref.6309」と比較すると、2代目の「Ref.6609」はベゼルの刻み模様が変更されており、このディテールで区別が可能です。2代目も非常に希少で、市場に出回ることが少なく、コレクターにとっては極めて貴重な1本といえます。
Ref.1625
1962年頃に登場した第3世代サンダーバード「Ref.1625」。ベゼルにはアラビア数字がエンボス加工で刻印され、立体感とシャープなエッジが特徴的です。
このモデルのムーブメントは、初期には「Cal.1560」を搭載していましたが、後に高精度で信頼性の高い「Cal.1570」へと改良されました。「Cal.1570」は、ロレックスが手掛けたムーブメントの中でも耐久性と精度に優れており、その時代の時計業界でも高く評価されています。
初期モデルではくさび型インデックスやアルファ、ドルフィン型の針を採用していた一方、後期モデルではバーインデックスやバトン型の針に変更され、デザインの選択肢が増えています。個性を重視する方にとっては、バリエーション豊かなデザインから自分好みのスタイルを見つける楽しみも大きいでしょう。
Ref.16250/16253
第4世代サンダーバード「Ref.16250」は、1977年頃に登場しました。この時期、ロレックスのムーブメントは3000番台に移行しており、サンダーバードも新たに「Cal.3035」を搭載。毎時28,800振動のハイビート仕様で、精度と耐久性がさらに向上しています。
また、第4世代からは、日付の早送り機能が追加され、日常使用の利便性が大幅に改善されました。さらに、ベゼルに刻まれたアラビア数字のデザインは横長になり、よりスタイリッシュな印象を強調しています。
後期に登場した「Ref.16253」は、現行のデイトジャストに近いデザインとスペックを持ち、クラシックなサンダーバードの魅力を維持しつつ、モダンな要素も取り入れています。デイトジャストの標準モデルでは物足りなさを感じる方には、個性と実用性を兼ね備えたおすすめのモデルです。
Ref.16264/16263
第5世代となる「Ref.16264/16263」は、サンダーバードの最終モデルとして1988年頃から2004年まで製造されました。このモデルには、ロレックスの名機「Cal.3135」が搭載されており、高精度と耐久性に優れたムーブメントとして腕時計業界でも高い評価を受けています。このムーブメントは、後の多くのモデルにも採用され、次世代のベースとなる重要な技術となりました。
ベゼルには大きく視認性の高いアラビア数字がエンボス加工され、放射状の刻みが施されており、より洗練されたデザインが特徴です。また、風防は強化プラスチックからサファイアクリスタルへと変更され、耐久性と防水性能が一段と向上しました。
製造終了後も根強い人気を誇り、サンダーバードの中でも特に完成度が高いモデルとして、現在も多くのファンに支持されています。
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ロレックスのサンダーバードは独特の回転ベゼル搭載モデル
デイトジャストシリーズに属しながらも、ひときわ異彩を放つのがサンダーバードです。その最大の特徴は、ドレスウォッチには珍しい回転ベゼルの搭載です。ドレッシーさとスポーティさを兼ね備え、さまざまなシーンで活躍できるため、他のモデルとは異なる個性を演出したい方にぴったりの時計といえます。
腕時計選びに迷った際は、ぜひサンダーバードを候補に入れてみてください。
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