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ロレックス GMTマスターの買取価格は?歴代モデルの相場も紹介

ロレックスGMTマスターは、1950年代に航空時計として誕生したロレックスの名作であり、その精密な機構と象徴的なデザインから、今も世界中の時計愛好家に支持されています。GMTマスターIはすでに生産終了となっていますが、ヴィンテージ市場ではその希少性とクラシックな雰囲気から高値で取引されることが多く、特定のリファレンスは資産価値が急騰しています。この記事では、GMTマスターの歴代モデルの買取相場や、GMTマスターIIとの違い、査定で高評価を得るためのポイントを専門的に解説します。

ロレックスGMTマスターとは


GMTマスターは、世界を行き交うパイロットやトラベラーのために開発された多機能モデルです。その誕生背景や進化の歴史を知ることで、なぜ今日まで高い評価を維持しているのかが理解できます。

GMTマスター誕生の背景と開発の経緯

GMTマスターは、1954年にパン・アメリカン航空の国際線パイロット向けに開発された時計です。当時、ジェット旅客機の発展により複数のタイムゾーンを横断するフライトが増加し、現地時間と基準時刻(GMT)を同時に確認できる時計の需要が高まっていました。

ロレックスはこの要望に応え、24時間表示の赤いGMT針と回転式24時間ベゼルを備えた「Ref.6542」を発表。これがGMTマスターの原点です。以降、ベークライトベゼルからアルミ、そしてセラクロムへと素材を進化させ、視認性と耐久性を両立。

実用時計としての完成度と、航空史に根差したストーリーが評価され、ヴィンテージ市場で非常に高い人気を誇るシリーズとなっています。

GMTマスターとIIの違い

GMTマスターとGMTマスターIIの最大の違いは、GMT針の操作性にあります。初代GMTマスターでは時針とGMT針が連動して動く構造で、24時間ベゼルを手動で回転させることで第二時間帯を確認していました。

一方、1983年登場のGMTマスターIIではGMT針が独立可動式に進化し、3つのタイムゾーンを瞬時に読み取ることが可能に。これにより実用性が格段に向上しました。

ただし、初代GMTマスターはそのクラシックな造りやベークライトベゼル、トリチウム夜光など、現行機にはないヴィンテージ要素が高く評価されており、特にRef.1675やRef.6542などはコレクター市場で非常に高額で取引されています。

現行の機能性と旧モデルの芸術的価値が対照的に評価されているのが、このシリーズの奥深さと魅力です。

GMTマスターの歴代モデルと買取相場


GMTマスターは、誕生から現在に至るまで数々の名作を生み出してきたロレックスの代表モデルです。ここでは、各世代の特徴や希少性、そして最新の買取相場を専門的に解説します。

Ref.6542

Ref.6542は、1954年に登場した初代GMTマスターであり、GMTコレクションの原点となる歴史的リファレンスです。

ベンツ針と24時間針、そして赤青のペプシベゼルを備え、パン・アメリカン航空公式モデルとして採用されました。最大の特徴は、数字が内側から発光するベークライト製24時間ベゼルと、リューズガードを持たないスリムなケースデザインです。

このベークライトベゼルは非常に割れやすく、当時のオリジナル状態を保つ個体は極めて少数で、その希少性が現在の評価を大きく押し上げています。ヴィンテージGMTの中でもコレクターズピースとして別格の扱いを受ける一本です。

Ref.1675

Ref.1675は約1959年ごろから1980年ごろまで生産されたロングセラーモデルで、GMTマスターを「アイコン」に押し上げた存在です。

クラウンガードの追加により実用性と耐久性が向上し、ペプシベゼルとオイスターケースの組み合わせは、現在もクラシックGMTの代名詞として語られます。前期のギルトダイヤル、後期のマットダイヤル、フチありインデックスなど、年代によって仕様が細かく異なり、そのバリエーションがコレクター心理を強く刺激します。

生産数自体は多いものの、オリジナル性の高い個体は減少しており、コンディション・仕様違いによって評価と市場価格に大きな開きが生じる代表的ヴィンテージです。

Ref.16750

Ref.16750は1980年代前半に登場した過渡期のGMTマスターで、ヴィンテージの雰囲気と現代的実用性を併せ持つ人気リファレンスです。外観は1675の意匠を踏襲しつつ、ムーブメントをハイビートのCal.3075へ刷新し、クイックチェンジデイトとハッキング機能を搭載したことで操作性が大幅に向上しました。

また、防水性能も約100mへ強化され、日常使いしやすいスペックに進化しています。初期のマットダイヤルから後期の光沢ダイヤルまで仕様差が存在し、トランジションモデルとしてコレクション価値が高い一本です。

良コンディションかつフルセットの個体は、近年ヴィンテージ市場で評価がじわじわ高まっています。

ヴィンテージGMTマスターの査定ポイント


GMTマスターなどのヴィンテージロレックスを査定する際は、現行モデルとは異なり「オリジナル性」や「経年の味わい」が重視されます。ここでは、査定で特に評価を左右する3つのポイントを専門的な視点から解説します。

オリジナルパーツやダイヤルの状態

ヴィンテージGMTマスターにおいて最も重要視されるのが、オリジナルパーツの維持率です。交換パーツやリダイヤル(再塗装文字盤)は、その時点でオリジナル性が損なわれるため査定額は大幅に下がります。

特に、針・インデックス・ベゼル・風防が当時のまま残っている個体は希少で、同じモデルでも数十万円以上の差が生じることも珍しくありません。

また、夜光塗料が均一に焼けたトリチウムダイヤルや、当時特有のフォントが残っている個体はコレクター間で高い評価を受け、プレミア査定の対象となります。

付属品・保証書・箱の有無

ヴィンテージロレックスの査定では、付属品の有無が想像以上に大きな影響を与えます。

保証書、販売店スタンプ入りの保証書、純正ボックス、タグ、クロノメーターメダルなど、当時の付属品がすべて揃っている「フルセット」は、コレクター市場で特に高値で取引されます。

これらの付属品は、その時計が正規に流通したことを証明する「履歴」としての価値があるため、信頼性の裏付けとなるのです。

中でもギャランティは再発行が不可能なため、査定額が10〜30%上がるケースも少なくありません。

経年変化の状態

ヴィンテージウォッチ特有の「経年変化」は、マイナス要素ではなく個体の魅力を高める要素として評価されることがあります。

特に、紫がかったトロピカルブラウンダイヤルや、夜光塗料がクリーム色やオレンジ色に焼けた針・インデックスは、自然な経年変化としてコレクターに人気です。また、アルミベゼルの色抜けやフェードも、独特の風合いとしてプラス査定の対象になる場合があります。

ただし、人工的なエイジングや過剰な研磨跡は減額対象となるため、オリジナルのままの風合いを維持している個体こそ、最も高く評価されます。

金無垢やコンビモデルの買取価格傾向


GMTマスターには、ステンレスモデル以外にも金無垢やコンビ仕様など、高級感と個性を兼ね備えたモデルが存在します。ここでは、それぞれの素材特性と市場における買取価格の傾向を専門的に解説します。

金無垢モデルの需要

金無垢仕様のGMTマスターは、資産価値の高さと希少性からヴィンテージ市場でも特別な地位を占めています。

代表的なRef.1675/8は、1960〜70年代にかけて製造された高級仕様で、当時から富裕層向けに限定的に流通していました。そのため現存数が少なく、オリジナルパーツを保つ個体は極めて稀です。市場では状態や付属品の有無にもよりますが、400〜700万円前後の買取価格がつくケースも珍しくありません。

また、金相場の上昇に伴って実質的な地金価値も高まっており、単なるコレクションとしてではなく動産資産としての注目度も年々高まっています。

コンビモデルの需要

ステンレススチールとイエローゴールドを組み合わせたコンビモデルは、GMTマスターの中でも非常に人気が安定している素材構成です。

代表的なリファレンスとしてRef.16753やRef.126711CHNRなどが挙げられ、特に後者は通称「ルートビア」として世界的な人気を誇ります。コンビモデルは金無垢よりも軽量で実用的ながら、高級感・資産性・デザイン性のバランスが取れているため、ユーザー層が広いのが特徴です。

買取価格はモデル・年式によって差があり、200〜500万円前後が相場。
近年はエバーローズ素材の登場で相場が上昇傾向にあり、国内外問わず安定した需要を維持しています。

高額買取が望めるGMTマスター2選


ここでは、現行・旧型を問わず市場で特に高額買取が期待できるGMTマスターの代表的モデルを3つ厳選し、それぞれの魅力と価格動向を専門的に解説します。

GMTマスター 16700

1988年から1999年まで生産されたRef.16700は、GMTマスター最終世代として知られ、GMTマスターIIとの並行生産が行われていた希少なモデルです。

アルミ製の赤青ベゼル(ペプシ)が象徴的で、クラシックな雰囲気と軽快な装着感を兼ね備えています。ムーブメントにはCal.3175を搭載し、GMT針が時針と連動する旧来構造を採用。現行モデルにはない「シンプルなGMTの原点」を感じられる点がコレクターに高く評価されています。

製造期間が短く流通量も少ないため、状態の良い個体やフルセット品は100〜150万円前後の買取価格が見込めます。特にオリジナル夜光(トリチウム)の焼けが美しい個体はプレミアがつきやすい傾向にあります。

GMTマスター 16758RG

1970〜1980年代に製造されたRef.16758RGは、GMTマスターシリーズの中でも特に希少性の高い“金無垢ヴィンテージ”として知られています。18Kイエローゴールドケースを採用し、高級感とヴィンテージ特有の渋さが共存する独自の存在感を確立しています。ロレックスが金無垢スポーツを本格展開し始めた時代のモデルであり、市場に残る個体数は非常に限られています。

特徴的なのは、年代によって仕様が多様に分かれる点です。トリチウム夜光のインデックス、フチなしのオープン6表記、経年で焼けたシャンパンダイヤル、プラスチック風防など、細部の変化がコレクターの評価を大きく左右します。また、退色したベゼルカラーやケースの柔らかなエッジなど、ヴィンテージ固有の味が魅力として語られることも多いモデルです。

オリジナルパーツが残された16758RGは極端に少なく、近年は国内外で評価が急上昇。状態や付属品の有無にもよりますが、買取相場は400〜700万円前後と高水準を維持し、特に初期個体や経年変化が美しいものは海外オークションでも競り合いが起きやすい傾向があります。金無垢スポーツという珍しさに加え、GMTマスターらしいツールウォッチの実用性も兼ね備えた、まさに資産性の高いヴィンテージロレックスの代表格といえます。

GMTマスターはヴィンテージウォッチとして高額買取されている


GMTマスターは、ロレックスの中でも特にヴィンテージ価値が高いシリーズとして世界的に評価されています。製造年代ごとの仕様違いやオリジナルパーツの残存率、経年変化の美しさが価格を大きく左右し、希少個体は海外オークションでも高額落札が続出。特に金無垢や初期仕様を備えたモデルはコレクター需要が強く、実用性と資産性を兼ね備えた「投資価値のあるロレックス」として、今後も高値安定が期待される名作です。

この記事の監修者

佐藤高雅(さとうたかまさ)
株式会社ジェムキャッスルゆきざき ECソリューション室副室長

1996年生まれ。高校在学中に煌びやかな高級腕時計やジュエリーに興味を持つ。
大学在学中に某日本メーカ時計正規店でアルバイトを経験し卒業後、店舗販売員として2019年ジェムキャッスルゆきざきに入社。
3年間販売員を経験した後、時計の知識や文章力を買われECソリューション室へ異動。
以後ゆきざきサイトの文章やブログ記事、デザイン関連を統轄しており、メディア広報室立ち上げ時にはYouTubeレギュラー出演やニュース番組、中国系SNSにも出演する。

初めて購入した腕時計は、23歳でブレゲのマリーン2。
婚約時計はペアでジャガールクルトのレベルソ。
ランゲ&ゾーネ ランゲ1を手に入れるものの、自分には早すぎたと手放す。
40歳になったら記念で購入予定(理想)
好きなブランドは、ジャガールクルト・ランゲ&ゾーネ・FPジュルヌ。時計業界歴7年。

■経歴
2019年 株式会社ジェムキャッスルゆきざき/新卒
2021年 メディア広報室/設立
2022年 ECソリューション室/副室長
■得意領域
WEBライター
高級腕時計全般
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
ジュエリーコーディネーター




       
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