【時計職人に聞く】Part.3 メンテナンスの神髄、「磨き」~続編。
【時計職人に聞くPart.2 】
メンテナンスの神髄、「磨き」~続編。
前回、第2回目としてお送りしました、メンテナンスの神髄、「磨き」について。
今回はその続編として第3回目【時計職人に聞く】Part.3をお送りしたいと思います。
「形やデザインが違った場合ってどんな感じになるのかな?」
と言った、ふとした疑問を解決する回にしたいな~と思います。
第3回のお題目は以下の通り↓↓
1.細かいデザインのブレスレット
ロレックスは割と時計のパーツ自体は大き目の時計になります。
磨く場合パーツごとの面積が大きいので、割と全体の仕上りバランスがつかみやすい時計でした。
今回はブライトリングを磨いてメンテナンスしていこうと思います。
ブライトリングといえば5連のブレスレットデザインが特徴的ですよね。
今回の「磨き」ではブライトリングのように
一つひとつのパーツが小さくなった場合に磨きの方法が変わるのか?
要は、デザインで磨き上りに差が出るのか?
についてお伝えしていこうと思います。
2.機材や材料の種類
磨きの作業には何種類かの機械を使用して仕上りを目指していきます。
「仕上がった時にどのような状態になっているのか?」をしっかりイメージできているかどうかで
クオリティに大きく影響があるそうです!
まずは、バフィングと呼ばれる大き目の回転する機械ですが、
これが【回転盤の種類で2種類】。
柔らかめの割とフサフサしたもの。
ちょっとしっかり目の固さのあるもの。
↓よく見ると回転盤(バフ)の側面にも毛羽立ちがあるのが分かりますでしょうか?
この側面も磨きに使うそうです。
【研磨剤、これが3種類】。
ハンディーローター、この【ヘッドが常時2種類】。
↓少し粗目のものと。画像に2種類のパーツが写っていますが、
小さい方は大きいものが削れて小さくなったものです。
もったいなくて使っているというよりはこの何ミリかの半径の違いが
指先に感じる感覚には大きな差となることもあるようです。
磨く部位によっては同じヘッドでも使い分けをしていくそうです。
↓固さがあり細かい表面のもの。
このパーツを使う時は研磨剤を使いながら、より細部までこだわった仕上げをしていきます。
単純に12種類も組み合わせがあるわけです…
どのときにどれを使うのか、混乱してしまいそうです…
そこを的確に選択しながらできるのが、さすがプロならではということですね。
3.磨き方の違いがあるのか。
時計の技術士にお伺いしたところ、ご紹介したロレックスの3連ブレスレット(通称オイスターブレス)と
ブライトリングの5連ブレスレットにおいては特に大きな磨き方の違いはないそうです。
「ないんかい…!!」と壮大なツッコミ(汗)をただいま私の耳に頂戴したところでございますが。(笑)
ですが、
磨き方で大きな違いがないということで、細かい部分にはもちろん違いがあります。
例えば3連から5連にパーツが細かくなるということはそれだけ多くの「動き」、「角度」が出るということです。
要するに、パーツとパーツの連結部分などに可動域が大きくなる分、真っすぐな平らな面積が小さくなる。
↓
動きが出るということは影になって隠れたり重なったりする部分が多くなるということです。
↓
その一つ一つにも気を使いながら素材の動きにも指先で変化を感じながら磨いていきます。
高速で回転するバフに押し当てて磨いていくので、目を近づけることは危険です。
指先に感じる押し当てる力、角度を指先で感じながらの作業になります。
指先で見て磨き、目視で状態確認を繰り返しながら磨き上げていきます。
その感覚はやはり職人技ですね。
4.研磨剤とヘッド
磨きに使う研磨剤、これは回転盤に押し当てて付着させます。
↓
細かい研磨剤の粒子が回転盤に満遍なく付着します。
↓
そのあとに磨きたいパーツを押し当てることで綺麗にみがきがかかっていきます。
イメージ的には、木を紙やすりで削るように
金属を研磨剤で非常に細かい粒子で薄く薄く削ってイメージですね。
そのことで髪の毛に満たない厚みも綺麗にすることができます。
この研磨剤にも何種類かありまして、
金属の種類(これは金属によって硬さの具合が違う為、その時々でベストな組み合わせをしていきます)
または、磨きたいパーツの状況により最善な組み合わせをしていきます。
ゆきざきでは常時3種類を使い分けしています。
この感覚は言ってわかるものではないそうで、日ごろから多くの感覚をその指先で感じ取ることが
判断の基準として蓄積されていくとのことです。
まさに、「経験」ですね!
5.まとめ
ゆきざきでは状態の良い中古品を多数お取り扱いしております。
それは自社に時計加工部を持っているという背景が重要なポイントです。
時計中古品の流通は世の中にたくさんありますが、
【仕入れの状態チェック】
↓
【磨き前検品】
↓
【磨き】
↓
【磨き後検品】
↓
【時計の組み上げ】
↓
【仕上がり検品】
と各工程に人の手と目がしっかりと入っています。
外注出だしたりせず、
自社で一貫して【入庫からお客様の手元まで】流通に責任を持てるのもゆきざきならではのサービスです。
時計をお探しの際は、是非ゆきざきも覗いてみてください。
きっと、いい時計に巡り合えると思いますよ。
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