

ロレックスとオメガの腕時計の違いとは|歴史・機能・デザインを比較

高級腕時計の代名詞とされるロレックスとオメガ。どちらも世界的な人気を誇り、精巧な作りや洗練されたデザインが魅力です。ただし、その歴史や機能、美学にはそれぞれ異なる個性が息づいています。
そこで今回は、ロレックスとオメガの特徴を比較しながら、ブランドの成り立ち、性能、デザインの違いについて詳しく解説します。初めて高級時計を選ぶ方にも参考になるよう、それぞれの魅力をわかりやすく紹介していきます。
ロレックスとオメガのブランドの特徴

ロレックスとオメガは、それぞれ誕生した年や有名になった歴史が異なります。ここでは、それぞれのブランドごとに特徴を確認していきます。
ロレックスとは
ロレックスは、1905年にドイツ人のハンス・ウイルスドルフが、ロンドンで時計商社を立ち上げたことで誕生しました。その後、ハンス・ウイルスドルフは数々の先進的な腕時計の機能を開発しており、懐中時計よりも耐久性や精度が劣っているという評価をくつがえしたという歴史があります。
特に「オイスターケース」、「パーペチュアル(自動巻き)」、「デイトジャスト」は、ロレックスの3大発明と呼ばれており、後の腕時計の製造にも大きく影響を与えました。
オイスターケースは防水性を高めるために開発されたつなぎ目のないケースで、水だけではなくほこりや細かいゴミの侵入も防げ耐久性が向上しています。パーペチュアルは永遠を意味する言葉で、着用すると自動で内部のネジを巻き上げる機能を指します。
デイトジャストは午前0時に即座に日付が入れ替わり、他の数字が表示されないため、日付の確認が即座に行えるというメリットがありました。
オメガとは
オメガはロレックスよりも誕生の歴史が古く、1848年にルイ・ブランがスイスに工房を開いたことで始まりました。ただし、この頃はまだ社名や工房の名前はオメガではありません。オメガの名前が登場したのは、1894年のCal.19が誕生したときでした。
Cal.19は非常に性能が高く、高性能かつ内部パーツの交換がしやすいものでした。そのため、開発したブラン兄弟はこのムーブメントに「オメガ」の名前を付けたのです。その後、このオメガムーブメントの開発をきっかけに工房の知名度が爆発的に上がり、社名もオメガに変更しました。
オメガの腕時計の性能の高さはその後も世界的に認められており、1932年にオリンピックの公式タイムキーパーに選ばれて、現在もさまざまな計測機器を導入しています。また、腕時計の精度の高さは、NASAにも認められており、1969年の月面着陸で着用されていたのも有名です。
ロレックスとオメガの違い

ロレックスとオメガには、歴史以外にも腕時計のデザインや性能など、異なる部分がいくつもあります。ここでは、5つの視点からどのような違いがあるか見比べていきましょう。
性能
ロレックスとオメガのどちらも非常に性能が高く、機能性に優れたモデルを販売していることに違いはありません。そのような中でも、少しだけ企業の目指す方向性の違いがモデルに反映されています。
例えば、ロレックスは耐久性の高さを追求している傾向にあります。ロレックスのケースに用いられている金属は、何度もプレスをし密度を高める工夫をしているため、通常のステンレス以上に高い強度を誇るのです。また、スーパーステンレス(SUS904L)と呼ばれる一般的なステンレスよりも、強度が高い素材が使われているのも特徴的。
対してオメガは、自社開発しているマスタークロノメーターに高い耐磁性が備わっています。機械式腕時計は、磁力をあてられると時間がずれてしまいます。そのため、オメガはいつでも正しい時刻を表示させるために、耐磁性の高いクロノメーターを開発したのです。
デザイン
時計を選ぶ際に大きな影響を与えるデザインですが、この部分ではロレックスとオメガに違いがみられます。ロレックスは基本的にベーシックでシンプルなデザインを採用していることが多いです。代表的なモデルであるデイトナやサブマリーナーでは、デイト機能やクロノメーターはあるものの、文字盤やバックル部分は洗練されたデザインが特徴的です。
対して、オメガはやや特徴的なデザインが採用されているモデルがあります。例えば「シーマスター アクアテラ」では、チークコンセプトと呼ばれる平行した線が入った文字盤を採用。また、2006年に発表されたジェームズ・ボンドモデルのシーマスターは、放射線状のラインが特徴的です
知名度
ロレックスとオメガの知名度に関しては、国内外問わずどちらも非常に高いです。ロレックスは1990年代に大人気ドラマで着用されたことをきっかけに、高級腕時計の代表的な位置として定着しました。
オメガに関しても、国際的に人気な映画である007のジェームズボンドが着用している腕時計として、映画や時計ファン以外にも高い認知度を誇ります。また、オリンピックのタイムキーパーとして活動しているため、腕時計好き以外にも認知されているでしょう。
価格帯
全モデルを平均して比較すると、ややオメガの方がロレックスよりもリーズナブルです。ただし、ロレックスには高級モデルから低価格帯のモデルまで幅広く取り揃えているため、一概にどちらのブランドが安いとはいいづらいです。
例えば、ロレックスのエクスプローラー40は、定価で約110万円で取り扱いされており、高級腕時計の中ではリーズナブルな価格となっています。一方オメガでも、シーマスターダイバーが約86万円、スピードマスター ムーンウォッチが約100万円で販売されているため、大体100万円から定価購入が行えるでしょう。
ただし、高級腕時計の需要は高い傾向にあり、ブランドや商品によっては正規店での購入しづらいものもあります。そのようなモデルは、定価購入ができないためより高い金額で取引されることもある点には注意が必要です。
モデルのバリエーション
同一の企業内での派生の多さは、ロレックスの方が豊富です。ロレックスには主要シリーズだけでも、「サブマリーナー」や「デイトジャスト」、「デイトナ」、「エクスプローラー」など、いくつもあります。
対してオメガはスピードマスターとシーマスター、デ・ヴィルから派生したモデルがほとんどであるため、似たようなモデルが多い印象を受けるでしょう。そのため、初めて高級腕時計を選ぶ場合は、ロレックスの方が選択肢は多いためおすすめな面もあります。
ロレックスの人気コレクション

ロレックスの人気コレクションは、サブマリーナーやエクスプローラー、GMTマスターなど、数々のシリーズで誕生しています。また、これらのシリーズはどれも誕生から50年以上経っており、長年ファンから愛され続けていることがわかるでしょう。
人気コレクションの中でも印象的なものに、コスモグラフデイトナがあります。コスモグラフデイトナは1963年に誕生したモデルで、カーレース会場であるデイトナビーチから名付けられました。それまでに開発されていたロレックスのクロノグラフモデル「コスモグラフ」を引継ぎ、機能性とデザイン性を両立し人気を博しました。
他にもエクスプローラーやシードゥエラーなど、幅広い選択肢があることもロレックスの人気の秘訣です。
ロレックスのおすすめモデル4選
ロレックスの人気コレクションの中からおすすめを4つ紹介します。ロレックスの代表的なモデルを知りたい方はぜひチェックしてみてください。
コスモグラフ デイトナ 126500LN
コスモグラフ デイトナ 126500LNは、デイトナの誕生60周年を記念して2023年に発表された最新モデルです。先代モデルである116500LNの設計思想を受け継ぎ、40mmケースやオイスターブレスレットといった特徴的なディテールはそのまま踏襲されています。
ベゼルには高い耐傷性と耐食性を備えたセラクロムを採用しており、汗や摩耗への耐性が一段と向上しています。また、文字盤にはクロノグラフ機能を象徴するインダイヤルが美しく配され、12時位置にはロレックスを象徴する王冠マークが精緻にあしらわれているのが特徴です。
ロレックスのDNAが細部にまで息づいており、デザイン性と実用性を高次元で融合した1本です。その完成度の高さから、初めてロレックスをご検討される方にも自信を持っておすすめできるモデルといえるでしょう。
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GMTマスターII 126710BLRO
複数のタイムゾーンを同時に表示できることで高い評価を得ているGMTマスター。その中でも「126710BLRO」は、2018年に登場したGMTマスターⅡの代表的なモデルです。ベゼルと24時間針の組み合わせによって、通常の時刻表示とは異なるエリアの時刻を把握でき、出張や旅行などで国境を越えて活躍される方にとって、非常に実用性の高い1本といえます。
GMTマスターⅡならではの魅力の1つに、ツートンカラーのベゼルが挙げられます。本モデルでは、鮮やかなブルーとレッドの配色が採用されており、その印象的な色合いから「ペプシ」という愛称で親しまれています。
一方で、視認性に優れたシンプルな文字盤と、耐久性に優れたステンレススチール製ブレスレットを備えているため、カラフルなデザインながらもロレックスらしい重厚感や品格をしっかりと感じられる仕上がりとなっています。
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サブマリーナー デイト 126610LN
1953年に誕生したロレックスのダイバーズウォッチ「サブマリーナー」の現行モデルとして位置づけられているのが、リファレンス126610LNです。型番末尾の「LN」はフランス語の“Lunette Noir(黒いベゼル)”を意味し、その名のとおり、艶やかなブラックセラミック製ベゼルが印象的な1本に仕上がっています。サブマリーナーシリーズの代名詞ともいえる高い防水性能は本モデルにも継承されており、水深300メートルまでの防水性能を備えています。
サブマリーナーは長年にわたり大きなデザイン変更を行わず、その完成されたスタイルを守り続けていることで知られています。126610LNもその伝統に忠実で、日付表示を備えた端正なフェイスを採用しながら、ディテールにおいてはアップデートが加えられています。なかでも、6時位置にロレックスのクラウンマークが新たに配されている点は、前モデルとの識別ポイントです。
全体をブラックで統一したカラーリングは、視認性と引き締まった印象を両立させており、都会的な洗練と大人の落ち着きを感じさせます。日常からフォーマルまで幅広いシーンに自然に溶け込みながらも、腕元に確かな存在感をもたらす1本といえるでしょう。
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ヨットマスター 126622
ヨットマスター 126622は、スポーツモデルの中でも特に高級志向を際立たせた1本です。1992年に登場したヨットマスターシリーズの中で、本モデル「126622」は2025年現在において最新の仕様を誇ります。
ダークグレーの文字盤に水色の秒針が配されており、そのコントラストが洗練された美しさを演出しています。視認性とともに、独自のスタイルを印象づけるデザインです。
また、サブマリーナーに代表されるダイバーズモデルでは、潜水時の安全性を重視して逆回転防止ベゼルが採用されていますが、ヨットマスターでは両方向に回転するベゼルを搭載。この仕様は、セーリング中の時間計測を容易にするために設計されたものです。
スポーツモデルとしての実用性に加え、上質さを感じさせる素材や仕上げが魅力で、ラグジュアリーな雰囲気を楽しみたい方にもご満足いただける仕上がりとなっています。
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オメガの人気コレクション

オメガの代表的なシリーズはスピードマスター、シーマスター、デ・ヴィル、コンステレーションの4種類となっていますが、それぞれから多数のバリエーションが発表されています。特にスピードマスターの種類は豊富で、ムーンウォッチだけでも21種類のバリエーションが販売されています。(2025年現在)
スポーティな印象の強いオメガですが、コンステレーションやデ・ヴィルといったラグジュアリーさが強いモデルも人気です。デ・ヴィルは、レディースのイメージも強いですが、プレステージなどは40mm以上の大きいサイズも取り扱われています。
オメガのおすすめモデル4選
オメガにもそれぞれのシリーズごとにおすすめのモデルがいくつかあります。ここでは、4種類を厳選しておすすめのモデルを紹介します。
ヨッスピードマスター レーシング 40 MM 326.30.40.50.01.002
スピードマスター レーシング 40MM「326.30.40.50.01.002」は、アポロ計画で着用されたスピードマスターの系譜を色濃く受け継ぐ1本です。3つの異なる時間を計測できるクロノグラフを備えており、ダイヤルには「クル・ド・パリ」と呼ばれるギョーシェ装飾が施され、細部に至るまで洗練された高級感を感じさせます。
ムーブメントには、オメガが独自に開発したCal.3330を搭載。コーアクシャル脱進機の採用により摩耗を抑え、長期にわたって安定した精度を保つ設計となっています。さらに、ひげゼンマイにはシリコン素材を用いることで、温度変化や磁気の影響を受けにくく、安定した精度での時刻計測を可能にしています。
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オメガ シーマスター 300 マスター コーアクシャル 41 MM 233.32.41.21.01.002
シーマスター 300 マスター コーアクシャル 41 MM 233.32.41.21.01.002は、プロフェッショナルユースにも対応するダイバーズウォッチとして設計されており、過酷な環境下でもその信頼性を発揮します。シリーズ名にも冠された「300」の名が示すとおり、300メートルもの防水性能を備えており、日常のあらゆるシーンはもちろん、本格的な水中活動にも十分対応可能です。
視認性にも優れており、文字盤にはスーパールミノヴァが塗布されているため、水中や暗所でも高い視認性を確保。刻々と変わる環境の中でも、時刻の確認にストレスを感じることはありません。また、搭載ムーブメントにはオメガが誇るCal.8400を採用。15,000ガウスもの磁場にも耐える驚異的な耐磁性能を誇り、都市部や電子機器の多い環境下でも精度を保ち続けます。
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オメガ デ・ヴィル アワービジョン コーアクシャル マスター クロノメーター アニュアルカレンダー 41MM 433.50.41.22.03.001
デ・ヴィルのコレクションの中でも、優れた機能性と洗練された美しさを兼ね備えた「アワービジョン」シリーズ。その中でも「433.50.41.22.03.001」は、年に一度の調整で済むアニュアルカレンダーを搭載し、実用性と先進性を兼ね備えた1本です。ケースには18Kセドナゴールドを採用し、深みのあるブルーダイヤルとのコントラストが、気品ある存在感を際立たせています。
さらに、インデックスや針などのディテールにもセドナゴールドが施されており、ケースと文字盤との一体感が美しく調和しています。ケースバックにはシースルー仕様が採用されており、オメガならではの緻密に仕上げられたムーブメントを鑑賞できる点も魅力の1つです。
ラグジュアリーと実用性を兼ね備えたオメガをお探しの方に、ふさわしいモデルといえるでしょう。
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オメガ スピードマスター ’57 コーアクシャル クロノメーター クロノグラフ 41.5MM 331.20.42.51.01.002
1957年に登場したオメガ スピードマスターの意匠を継承しつつ、現代の技術を融合させたモデルが「スピードマスター ’57 コーアクシャル クロノメーター クロノグラフ 41.5MM 331.20.42.51.01.002」です。当時のデザインを再解釈した本作は、伝統と革新が見事に調和した1本となっています。
一見すると2カウンターのクロノグラフですが、3時位置の積算計は30分と12時間の計測が可能な設計となっており、3カウンター同様の実用性を備えているのが特徴です。この工夫により、クラシックなフェイスを保ちながらも、現代的な機能性を犠牲にすることなく使用できます。
また、誕生当時を想起させるサテン仕上げのタキメーターベゼルは、近年のスピードマスターには見られない、ヴィンテージ調の力強さと洗練された美しさを放っています。最新デザインとは一線を画す個性を求める方にとって、特別な存在となるでしょう。定番モデルとは異なる魅力を備えた1本をお探しの方に、ぜひ手に取っていただきたいモデルです。
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ロレックスとオメガはどちらも高い人気を誇るブランド
ロレックスとオメガはどちらも国内外で人気のブランドで、それぞれに魅力のあるデザインや機能面の魅力があります。また、人気になった歴史や経緯も異なりますが、一般の方への認知が高い点も共通しています。
初めて高級腕時計を検討する方は、どのブランドの腕時計を選ぶか悩まれると思いますが、デザインや搭載している機能を比較しながら、自身に合った1本を探してみてください。










