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【時計職人に聞く】Part.13 ニセモノの時計の見分け方|Chanel J12編

シャネルJ12は、その人気ゆえに偽物も非常に多いモデルです。

見た目が似ているからといって安心はできません。
実際、最近のコピー品は想像以上に精巧です。

そこで今回は、実際に時計を分解・修理してきたゆきざき屈指の職人である安田の視点から、本物と偽物の違いを具体的に解説します。

ポイントはセラミックの質感、文字盤の仕上げ、そして裏蓋の刻印。

画像とあわせて、誰でも確認できる見分け方をQ&A方式でゆきざき時計技師とともにお伝えします。

なぜChanel J12は偽物が多いのか


ゆきざき時計技師:安田

Q:まず、どうしてシャネルのJ12は、そんなに偽物が多いのでしょうか?

ゆきざき時計職人:安田
A:はい。一番の理由は、人気と構造です。

J12は世界的に知名度が高く、特にホワイトセラミックはアイコン的存在ですね。

需要があるモデルはどのブランドでも、必ずコピー対象になります。また、外装がセラミック中心のため、一見すると再現しやすいと誤解されがちなんです。

ただし本物は研磨の精度や艶の深さがまったく違います。

だからこそ、見た目が似ていても中身と仕上げで差が出やすくなります。

そこを知らないと、見抜くのは難しいんです。

まず見るべきはケースとセラミックの質感


(上)
(下)

Q:まずはどこから見ればいいのでしょうか?

ゆきざき時計職人:安田
A:はい。まずJ12の真贋は、いきなりロゴや保証書を見るより先に「外装の気配」でほぼ決まります。

特にセラミックは、写真でも違和感が出やすいパーツです。

今回の比較だと、下のベゼルダイヤの方(偽物)は、ぱっと見の豪華さで誤魔化しているぶん、仕上げの粗が目立ちます。

白の艶は「透明感」か「白っぽさ」か

Q:セラミックの違いについて説明してください

ゆきざき時計職人:安田
A:そうですね。本物のホワイトセラミックは、白いのにどこか透明感がある艶が出ます。

光が当たると、表面がツルッと均一に反射して、陰影がなめらかになるのに対して、偽物は白が少し粉っぽく見えることが多いです。

反射が鈍く、面が平らに見えます。

これは研磨工程の精度差がそのまま出ています。

エッジ(角)の処理が「シャープ」か「丸い」か

Q:全体的な時計の加工処理などについてどうですか?

ゆきざき時計職人:安田
A:はい。いい質問ですね。
本物は、ケースやベゼル周りのエッジが立っているのに触感は滑らかです。
角がビシッとしていて、面取りが均一です。

しかし、偽物は角が丸いか、逆に角だけ不自然に立っていて刃物っぽいことがあります。

写真でも、偽物のベゼル周りは全体の輪郭がぼやけて見えやすいです。

雰囲気がぼてっとしていてどこか立体感が無くふやっとしているんです。

ブレスレットのリンクの詰まり方


Q:ブレスレットについても違いはありますか?

ゆきざき時計職人:安田
A:はい。もちろんです。

J12はブレスの一コマ一コマの精度が高く、コマ同士の隙間が少ないのが特徴です。
本物は詰まりが良くて一体感が出ます。

一方、偽物はリンク間の隙間が目立ち、光がスカスカ抜ける感じになりがち。
ここは写真でも意外と差が出ます。

ベゼルダイヤで特に見たいのは「留め」と「均一性」


Q:ダイヤモンドにも本物と偽物で違いはあるんですか?

ゆきざき時計職人:安田
A:とても良い視点です。本物のベゼルダイヤモンドはこの時計です。

本物のシャネルのベゼルダイヤモンドのJ12は粒の高さ・間隔・輝きが均一で、面として美しく整います。

今回の本物画像と偽物を比べると、偽物は石の並びや光り方にばらつきがあり、留めの精度も甘いのが良く分かると思います。

豪華さではなく揃い方を見ることが見分けの鍵です。

文字盤でわかる決定的な違い


Q:文字盤だけで本物と偽物は見分けられますか?

ゆきざき時計職人:安田
A:見分けられます。しかも一番差が出るのが文字盤です。
まず「CHANEL」「J12」「AUTOMATIC」のロゴ。 本物は文字の太さ・間隔が均一で、エッジがシャープ。拡大しても滲みません。

偽物はフォントがわずかに太い、あるいは細いことが多く、文字の端が甘く見えます。

さらにインデックス。 本物は立体感があり、縁取りの仕上げが整っています。偽物は角が丸く、光の反射が鈍い。

文字盤は印刷物ではなく精密部品であり、整い方に注目すると違いが見えてきます。

デイト表示と裏蓋で解る違い


Q:日付や裏蓋でも違いは出ますか?

ゆきざき時計職人:安田
A:ここは職人が真っ先に見るポイントです。
まずデイト表示。本物は数字のフォントがシャープで、窓の中央に正確に配置されます。

偽物は数字がやや太い、傾く、位置が微妙にズレることがあり、日付の切り替わりも本物は瞬時で滑らかです。

裏蓋は刻印の深さを見分けることが大事であり、本物はレーザー刻印が均一でエッジが立っています。

偽物は文字が浅く、輪郭がぼやけているのです。

表だけで判断しないことが大切で、最後は裏で差が出ます。

まとめ プロでも迷う個体はある


ゆきざき時計職人:安田
最後に、どれだけ経験を積んだ技師でも、一瞬迷う個体は存在します。

それだけ今の偽物は精巧です。だからこそ、見るべきポイントを知っておくことが大切なのです。

本記事で紹介した「質感」「均一性」「刻印精度」の3つを意識してください。

最後に、私安田が思う大事なことを3つ紹介して、この記事を締めます。

最近の偽物は精巧

現在のコピー品は、見た目だけなら本当に巧妙です。

特にJ12のような人気モデルは研究され尽くしています。外観だけで即断するのは超危険です。

セラミックの艶、ダイヤの整列、ロゴの精度など細部の揃いを見ることが重要です。

違和感は必ずどこかに出ます。

焦らず、一点一点確認する姿勢が何よりの防御策です。

正規保証書の重要性

保証書は単なる紙ではありません。

購入履歴やシリアル管理が確認できる、最も強い裏付けです。

ただし保証書があるから100%安心というわけでもありません。

偽造保証書ももちろん存在します。

だからこそ時計本体との整合性確認が不可欠であり、保証書は補強材料だと思ってください。

本体確認とセットで考えることが大切です。

信頼できる店舗で購入

最終的に一番確実なのは、信頼できる販売店から購入することです。

真贋鑑定体制が整っている当社ゆきざきでは、入荷段階で厳しくチェックしています。

価格の安さだけで判断しないこと。

安心は目に見えませんが、長く使う時計だからこそ重要です。

疑うより、信頼できる環境を選ぶ。それが最も賢い選択です。

ゆきざきでは私がいる限り偽物は取り扱いませんのでご安心くださいね!

最後までありがとうございました。

この記事の監修者

佐藤高雅(さとうたかまさ)
株式会社ジェムキャッスルゆきざき ECソリューション室副室長

1996年生まれ。高校在学中に煌びやかな高級腕時計やジュエリーに興味を持つ。
大学在学中に某日本メーカ時計正規店でアルバイトを経験し卒業後、店舗販売員として2019年ジェムキャッスルゆきざきに入社。
3年間販売員を経験した後、時計の知識や文章力を買われECソリューション室へ異動。
以後ゆきざきサイトの文章やブログ記事、デザイン関連を統轄しており、メディア広報室立ち上げ時にはYouTubeレギュラー出演やニュース番組、中国系SNSにも出演する。

初めて購入した腕時計は、23歳でブレゲのマリーン2。
婚約時計はペアでジャガールクルトのレベルソ。
ランゲ&ゾーネ ランゲ1を手に入れるものの、自分には早すぎたと手放す。
40歳になったら記念で購入予定(理想)
好きなブランドは、ジャガールクルト・ランゲ&ゾーネ・FPジュルヌ。時計業界歴7年。

■経歴
2019年 株式会社ジェムキャッスルゆきざき/新卒
2021年 メディア広報室/設立
2022年 ECソリューション室/副室長
■得意領域
WEBライター
高級腕時計全般
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
ジュエリーコーディネーター


       
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