

2023年に復活|ブレゲ 3810を含むタイプXXIシリーズの魅力とは

フランス空軍の歴史と共に歩み、独自の進化を遂げてきたタイプXX(トゥエンティ)。パイロットウォッチとして誕生した背景を持ち、長年にわたってパイロットウォッチとしての伝統を受け継ぐモデルを展開してきましたが、2018年をもって一度生産が終了しました。しかし、5年間の沈黙を破り2023年に新作が誕生したことで、再び注目を集めています。
そこで今回は、そんなブレゲのタイプXXの系譜を持つタイプXXI(トゥエンティワン)が誕生した歴史的背景や特徴をはじめ、シリーズの魅力について解説します。また、タイプXXシリーズのおすすめモデルについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ブレゲ タイプXXIとはどのようなシリーズ?

ブレゲのタイプXXIは、航空時計の伝統を受け継いできたシリーズです。ここでは、タイプXXIが誕生した背景やシリーズが復活するまでの経緯について解説します。
航空用の時計として開発された
ブレゲタイプXXIは、タイプXXの後継機として誕生したシリーズです。タイプXXIの原点ともいえるタイプXX誕生のきっかけは、フランス軍からのミリタリーウォッチ開発依頼によるもので、軍用モデルは「タイプ20」と呼ばれています。
航空パイロット専用に設計されているため、過酷な使用環境でも十分な性能が発揮できるよう耐久性や視認性を確保しつつ、厳しい条件下でも正確に作動することを重視した作りになっています。
また、飛行ルートやタイミングを計測する際に重宝する「フライバッククロノグラフ機能」を搭載していることも特徴です。タイプ20の軍用時計としての開発が成功したことにより、ブレゲは軍用モデルの他に、デザインと仕上げが異なる民間用のタイプXXモデルも展開していきました。
2023年に復活を果たす
ブレゲは1950年代から第一世代となるタイプXXを発売してきましたが、主に軍用だった第一世代に対し、1970年代に発売された第二世代のタイプXX以降は、民間向けの販売販路を拡大していきました。また、経営母体の変更に合わせて1990年代には第三世代のタイプXXよりもケースを大きくしたタイプXXIを発表。
その後、真紅のクロノグラフ秒針(先端のみ赤い針は60分積算針)を採用したXXIIを発表するなど、さまざまなモデルを展開してきましたが、2018年に一旦生産を終了します。その生産終了から5年後の2023年、ブレゲは軍用と民間用の2つのタイプXXをリリースし、ついに復活を果たしました。
ブレゲ タイプXXI 3810の魅力とは

ブレゲタイプXXI3810は、パイロットウォッチ特有の高い機能と現代的なデザインが特徴です。ここでは、ブレゲタイプXXI3810の魅力を3つ解説します。
シンプルなデザインと3つのクロノグラフ
ブレゲタイプXXI3810は、これまでのタイプXXの意匠を引き継いでおり、ミリタリーウォッチをイメージしたデザインです。もともと航空用に開発されたモデルであるため、シンプルなデザインで視認性に優れています。
センター針で表示される60分積算計や、24時間表示のインダイヤル、デイト表示がバランス良く配置されており、デザインを損なうことなく利便性を向上しています。クラシックなパイロットウォッチの要素を残しつつ、洗練されたモダンなアレンジデザインが魅力です。
比較的手に入れやすい価格帯
ブレゲタイプXXI3810は、他社の高級腕時計ブランドのクロノグラフモデルよりもお手頃な価格帯で推移しているため、購入しやすいことも魅力です。高級腕時計ブランドでは、ケース素材にゴールドやプラチナといった高価な貴金属を使用する傾向が多く、その分価格帯が高くなっています。
一方、ブレゲタイプXXI3810はケース素材にステンレススティールを使用しているので、コストを抑えた価格設定としています。ステンレスモデルでは100~150万円、高価格帯のローズゴールドのトランスアトランティックモデルでも200万円以内で購入できるため、初めてのパイロットウォッチとしてもおすすめです。
フライバックなど複数の機能を備える
ブレゲ自社製の自動巻きクロノグラフにはフライバック機能や24時間針、60分積算計といったパイロットウォッチらしい実用的な機能が付いています。フライバック機能とは時間計測中にストップ、リセット、再スタートを1回のボタン操作で行える機能です。
また、ブレゲタイプXXI3810の60分積算計はクロノグラフ秒針と同軸にセットされていることから、計測時間が一瞬で読み取れます。繰り返し測定が必要な作業では重宝するでしょう。
ブレゲタイプXXシリーズのおすすめモデルを紹介

ブレゲタイプXXシリーズは優れた実用性に加え、幅広いニーズに応じた豊富なラインナップをそろえたシリーズです。ここでは、シリーズの中でも特におすすめしたいモデルを5つ紹介します。
タイプXXI 3810ST/92/SZ9
2004年に発表されて以来、高い人気を誇り続けるロングセラーモデルが、タイプXXI「3810ST/92/SZ9」です。直径およそ42mmの存在感あるケースには、見る角度や光の加減によって繊細に表情を変えるグレーダイヤルが収められており、洗練された印象を演出します。さらに、光を受けてきらめくピラミッド型のインデックスが美しいアクセントとなり、視認性と装飾性を兼ね備えています。
ケースサイドには、ブレゲの伝統美ともいえる「コインエッジ」が精緻に施され、長年にわたり培われた職人技の神髄を感じさせます。ブレスレットにはケース同様、ステンレススティールが採用されており、コマの中央には艶を抑えたヘアライン仕上げ、両端には鏡面仕上げを施すことで、質感の異なるコントラストが絶妙な調和を生み出しています。
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タイプ XX クロノグラフ 2067 2067ST/92/SW0
1950年代から1960年代にかけて展開された「タイプ XX」の伝統を継承しつつ、現代の高度な技術を融合させたモデルが、「タイプ XX クロノグラフ 2067 2067ST/92/SW0」です。かつての第一世代タイプXXをベースに、民間向けとして蘇らせた本作は、クラシカルな意匠と先進的なムーブメントを兼ね備えたリバイバルモデルとして、高い評価を集めています。
ブラックロジウム仕上げが施されたシックな文字盤には、アイボリー調の夜光塗料を用いたアラビアインデックスと針がバランス良く配置されており、暗所においても優れた視認性を確保します。その洗練された外観は、ヴィンテージの風格を湛えながらも、現代的な実用性を見事に両立しています。
ムーブメントには、ブレゲが独自に開発した「Calibre 728」を搭載。両方向巻き上げ式の自動巻き機構により効率的なゼンマイの巻き上げが可能となっており、シリコン製ひげゼンマイの採用によって帯磁性と耐久性にも優れています。パワーリザーブは最大60時間を誇り、日常使いにおいても十分な実用性を発揮します。
さらに、ブレスレットには細やかなコマ構造が採用されており、しなやかな装着感を実現。重厚感のあるフォルムに反して、長時間の着用でも快適さを損なわない点は、日常使いからフォーマルなシーンまで幅広く対応できる魅力の1つといえるでしょう。
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タイプXXII 3880ST/H2/3XV
タイプXXII「3880ST/H2/3XV」は、フランス海軍航空部隊の創設100周年と、同部隊への「タイプXX」納入50周年という、2つの節目を記念して誕生した特別なモデルです。
このモデルには、世界で初めて毎時72,000振動を実現した機械式クロノグラフムーブメントを搭載。高振動ムーブメントの課題とされる耐久性や安定性については、シリコン製の脱進機およびひげゼンマイを採用することで克服されており、先進技術の粋が凝縮されています。さらに、フライバッククロノグラフや24時間表示、デイト機能など、日常使いにも適した実用装備が充実している点も見逃せません。
44mm径のステンレススティール製ケースは存在感があり、アラビア数字との組み合わせによって視認性にも優れています。また、奥行き感をもたらす文字盤の構成が、時計全体に立体的な印象を与えています。ブラックダイヤル上に映える鮮烈なレッドのフライバック針と、ケースから放たれるステンレススティールの光沢が絶妙に調和し、視覚的にも洗練された1本に仕上がっています。
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タイプ XXI 世界限定250本 3815TI/HO/3ZU
フランス軍用航空クロノグラフ「タイプ20」の意匠を現代に受け継いだ、世界限定250本の特別モデルがタイプ XXI「3815TI/HO/3ZU」です。ツーカウンター仕様のクロノグラフを採用し、ブラックサンバースト仕上げの文字盤に鮮やかなオレンジのインダイヤルと針を組み合わせることで、視認性とデザイン性の双方を高次元で両立しています。
夜光塗料の採用により、暗所においても高い視認性を確保しており、その存在感は昼夜を問わず際立ちます。
ケース素材には軽量かつ高耐久性を誇るチタンを使用しており、長時間の装着でも疲れにくく、金属アレルギーへの配慮がなされている点も見逃せません。クラシックな佇まいに加え、瞬時のリセットと再計測が可能なフライバッククロノグラフ機構を備えることで、実用面でも優れた1本に仕上がっています。
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トランスアトランティック 3820BR/M2/RW9
タイプXXシリーズの中でも、とりわけ華やかな存在として知られる「トランスアトランティック 3820BR/M2/RW9」。ケースからブレスレットにいたるまで、すべてをK18ピンクゴールドで統一した本モデルは、ゴールドならではの気品と艶やかさを存分に湛えています。さらに、ホワイトダイヤルを組み合わせることで、ピンクゴールドの優美な色調が一層引き立ち、腕元に格別の華やぎを添えてくれます。
その洗練された外観に目を奪われがちですが、実はフライバック機能やデイト表示を搭載した実用性の高いクロノグラフでもあります。100mの防水性能を備えており、ラグジュアリーな雰囲気ながらも日常使いにも適した1本です。タイプXXの伝統に新たな魅力を加えた、エレガントで個性際立つモデルといえるでしょう。
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ブレゲのその他おすすめモデル3選

ブレゲはタイプXXの他にも、伝統を受け継ぐ個性豊かなモデルを数多く展開しています。ここでは、タイプXX以外にもおすすめしたいモデルを3つ紹介します。
マリーン クロノグラフ 5527TI/G2/5WV
ラグジュアリースポーツウォッチの先駆けとして人気を集める「5527TI/G2/5WV」。スレートグレーの文字盤には、手作業で施されたサンバースト仕上げが広がり、控えめな光沢が落ち着いた大人の風格を演出します。
マリーンシリーズの中でも比較的大ぶりな42mmケースを採用しながらも、素材に軽量かつ高耐久なチタンを使用しているため、見た目の重厚感とは裏腹に装着時の負担は少なく、快適な着け心地を実現しています。さらに、ローマ数字のインデックスと太めの針には蓄光塗料が施されており、日中はもちろん、暗所でも優れた視認性を確保しています。
ケースバックはシースルー仕様となっており、ブレゲならではの細やかな装飾が施されたローターが美しく覗きます。加えて、ベルトのバックルとともに舵輪をモチーフとした意匠があしらわれており、マリーンコレクションにふさわしい海のロマンを感じさせる仕上がりとなっています。時計愛好家にとって、実用性と遊び心の両方を兼ね備えた魅力的な1本といえるでしょう。
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クイーンオブネイプルズ 8928BR/51/944/DD0D3L
ナポレオン一世の妹であり、ナポリ王妃として知られるカロリーヌ・ミュラのために特別に設計されたことに由来する「クイーンオブネイプルズ 8928BR/51/944/DD0D3L」。19世紀初頭のブレスレットウォッチにインスピレーションを得て再構築された本モデルには、王妃を魅了した芸術性と優雅さが現代的な感性とともに息づいています。
楕円形の独創的なケースは、クイーンオブネイプルズならではのシルエット。ピンクゴールドの素材がもたらす温かみのある輝きに、ダイヤモンドが惜しみなくセッティングされ、ジュエリーウォッチとしての格調を一層引き立てています。さらに、ケース側面にはブレゲを象徴する伝統装飾「コインエッジ」が精緻に施されており、ディテールへのこだわりが際立ちます。
文字盤にはホワイト・マザーオブパールを採用し、シェルならではの柔らかな光沢が女性らしい華やぎを添えています。柔らかく艶めく素材感と洗練されたデザインとが絶妙に調和し、気品に満ちた1本に仕上がっています。
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マリーン 5517TI/Y1/5ZU
マリーンコレクションの精神を受け継ぎながらも、あえてスポーティーな印象を抑えた第三世代モデルが「5517TI/Y1/5ZU」です。
ロジウム仕上げが施されたブルーの文字盤は、晴れ渡る海面のような美しい輝きを湛えており、どこか気品を感じさせる表情を備えています。ケースには軽量で耐食性に優れたチタンを採用し、ラバーストラップと組み合わせることで程よいスポーティーさを演出しつつも、厚みを抑えたシルエットによって装着時のバランスが良く、ビジネスシーンにも自然に馴染みます。
視認性にも優れ、ローマインデックスや針には蓄光塗料が施されており、暗所での判読性をしっかりと確保。さらに、55時間のパワーリザーブとデイト表示機能を搭載しており、日常使いにも十分に応えてくれる高い実用性を誇る1本です。
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ブレゲタイプXXI3810はパイロットウォッチの魅力が詰まったモデル
ブレゲタイプXXI3810は、航空用に開発されたタイプXXの後継機として誕生したシリーズです。
フライバック機能や24時間針、60分積算計といったパイロットウォッチらしい実用的な機能が付いているだけでなく、シンプルかつ洗練されたデザインが魅力です。
高級腕時計ブランドでありながら、ステンレススティールモデルであれば100~150万円で購入できる入手のしやすさも魅力といえるでしょう。高性能パイロットウォッチに興味がある方は、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者

佐藤高雅(さとうたかまさ)
株式会社ジェムキャッスルゆきざき ECソリューション室副室長
1996年生まれ。高校在学中に煌びやかな高級腕時計やジュエリーに興味を持つ。
大学在学中に某日本メーカ時計正規店でアルバイトを経験し卒業後、店舗販売員として2019年ジェムキャッスルゆきざきに入社。
3年間販売員を経験した後、時計の知識や文章力を買われECソリューション室へ異動。
以後ゆきざきサイトの文章やブログ記事、デザイン関連を統轄しており、メディア広報室立ち上げ時にはYouTubeレギュラー出演やニュース番組、中国系SNSにも出演する。
初めて購入した腕時計は、23歳でブレゲのマリーン2。
婚約時計はペアでジャガールクルトのレベルソ。
ランゲ&ゾーネ ランゲ1を手に入れるものの、自分には早すぎたと手放す。
40歳になったら記念で購入予定(理想)
好きなブランドは、ジャガールクルト・ランゲ&ゾーネ・FPジュルヌ。時計業界歴7年。
■経歴
2019年 株式会社ジェムキャッスルゆきざき/新卒
2021年 メディア広報室/設立
2022年 ECソリューション室/副室長
■得意領域
WEBライター
高級腕時計全般
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
ジュエリーコーディネーター










