【時計職人に聞く】Part.9 オーデマ・ピゲの分解点検。
【時計職人に聞く】Part.9 オーデマ・ピゲの分解点検。
第9回は、このブログを見ていただいている方々もお待ちかねの時計の内部(ムーブメント)の画像をお送りしたいと思います。
言わずと知れた「AUDEMARS PIGUET -ROYAL OAK-」オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク。
今回はそのムーブメント点検の様子をお送りいたします。
ケースの外から見ることはあってもその中身をなかなか見る機会はないと思いますので、楽しんで頂ければ幸いです。
第9回のお題目は以下の通り↓↓
1.まずは簡単にロイヤルオークのご紹介。
「AUDEMARS PIGUET -ROYAL OAK-」オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク。
数ある高級腕時計の中でも最高峰に位置するブランド、AUDEMARS PIGUET
そのオーデマ・ピゲの中でも代名詞的なシリーズがROYAL OAK ロイヤルオークになります。
【2人の天才時計技師によって始まったオーデマ・ピゲ】
1875年に創業して以降、140年に渡り途切れることなく家族経営を続けてきた名門時計ブランド、オーデマ・ピゲ。
時計師の家系で育ったジュール=ルイ・オーデマ、(クロノグラフやミニッツリピーターなど複雑機構を得意とし天才技師と称される) 幼馴染みで技術力、営業力などに長けたエドワール=オーギュスト・ピゲの二人が手を組んで時計を制作したのが始まりです。2人の名前の一部分を取ってブランド名にしてあります。パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンと並んで、世界3大時計ブランドと称されています。
【ロイヤルオーク】
1972年に発売された『スポーティー・ラグジュアリー』をコンセプトに持つオーデマ・ピゲのスポーツコレクション、「ロイヤルオーク」。 八角形のベゼルの対角に、均等に配置された8個の六角ネジが特徴的なデザインです。文字盤には格子状に溝を刻んだ「グランド タペストリー」パターンが装飾され、スポーティーな中にエレガントさを併せ持ったモデルです。
【オーデマ・ピゲの特集ページへはコチラから】
2.分解開始。
まずは、時計のケースの裏側から作業を始めます。
裏蓋を外していきます。
ローターを外します。傷もつかないように細心の注意を払います。
今度は前側からの作業、ケースとベゼルの微細な隙間からガラスをベゼルごと一緒に取り外します。
ここまでで第一段階の終了です。
気が抜けない作業です。
3.文字盤の分離。
ここからの作業としてはケースからムーブメントをそっくりそのまま取り外します。
↓
時計の時針、分針、秒針を取り外します。
↓
オーディマ ピゲの代名詞でもあるタペストリー文字盤を取り外します。
それではまずケースとムーブメントの分離作業から始めます。
固定しているネジを丁寧に1本1本外していきます。
固定しているネジを取り外しましたので、丁寧にムーブメントそのものをケースから外していきます。
そして、針の取り外し作業です。
繊細な部分ですので、傷が入らいないようにシートを挟むことで針を取り外す器具との直接の接触を回避します。
いよいよ文字盤の取り外し作業です。
4.内部の状況を確認!
今回の分解の目的としては、オーバーホール云々ということではなく、内部の状況を目視して時計の状態を正確に認識したいということがありました。
もう少し取り外しできるパーツを外してから可能な限り目視できる範囲を拡げていきます。
まずは日付周辺の取り外しできるパーツを外していきます。
ムーブメントの裏側からもさらに細かいパーツを外していきます。
日付も外していきます。
パーツがほぼ外せましたのでムーブメント内部の動きを見ていきます。
まずは裏面から。
オモテ面もぬかりなくチェック!!
チェックの結果・・・・
ほぼ問題ありませんでしたが、内面のオイルが少し乾きだしていました。
特段他には何も不具合はありませんでした、これで一安心といったところですね。
普段は見えない部分だからこそ、実際に目で見て状況を確認することでの安心感はやはりあるものです。
最後まで見ていただいた方におまけ動画です。(笑)
作業の途中にゼンマイの動力をリリースしたシーンがありましたのでご紹介いたします。
普段時計を使う中では、本当に目にすることのないシーンだと思いますので貴重な動画かもしれませんね。
ちょっと映り方が下寄りでしたけど、そこはご愛嬌ということで!お許しください。(笑)
前回の記事はコチラ>>>【時計職人に聞く】Part.8 防水修理。
<<↓リンク先>>