アンティークロレックスの値段は高いのか|年代別に考察
優れたデザイン性や機能性から、世界的に高い人気を誇るロレックスの腕時計。近年では、あえて「アンティークロレックス」と呼ばれる年代物のモデルを購入する人が増えています。
なぜ、年代物のアンティークロレックスに注目が集まっているのでしょうか。今回は、アンティークロレックスの魅力や年代ごとの販売価格、おすすめの商品を紹介します。
アンティークロレックスとは
「アンティークロレックス」の明確な定義はありませんが、一般的には1970年代以前の製品を指します。何十年も前に作られたモデルであるため、機能面では現行モデルより劣ることが多いものの、デザイン性や希少性においては高く評価されており、世界中のコレクターを熱狂させています。
ロレックスの腕時計は耐久性が高く、きちんとメンテナンスをすれば長期にわたって使い続けられるため、生涯のパートナーとして選ぶ人も少なくありません。
また、時計としての機能が失われたとしても、コレクションとして求めるファンが後を絶たないことから、高値で取り引きされる傾向があります。
アンティークロレックスの魅力
アンティークロレックスには、現行モデルにはない魅力が多くあります。歴史的価値をもつアンティークロレックスの魅力を3つ紹介します。
人とかぶりにくい
ロレックスは、日本だけではなく世界中に愛用者がいる人気のブランドです。そのため、流通量の多いモデルや現行モデルなどは、どうしても他の人と被ってしまうことが多くなります。一方、年代物であるアンティークロレックスは、残存している数が限られるため、人と被る心配が少ないです。
また、アンティークロレックスは、まだ製造技術が成熟しきっていない時代に、職人の手作業によって作られました。そのため、現代のモデルに比べて個体差があり、オリジナリティが出しやすいです。
独特の風合いがある
アンティークと呼ばれる代物には、共通して年月の経過により蓄積した味わい深さがあります。腕時計の場合だと、文字盤の日焼けやガラス面の擦り傷、塗料の黄ばみなど、そのアイテムが長い間愛されてきた歴史を感じられるでしょう。このような熟成度合いや渋みは、新しいものでは出せません。
好みの風合いが出ているものを探してみると、愛着がもてる一品に巡り合えるかもしれません。
モデルによっては買った価格より高く売れる場合がある
資産価値が高いロレックスの腕時計は、購入時の値段よりも高く売れる可能性があります。一般的な腕時計の場合、旧型のモデルほど市場価値は下がっていきますが、ロレックスは逆にプレミア価格がつきやすいという珍しいブランドです。
ロレックスの腕時計は、一定の年数が経ったものでも、きちんとメンテナンスをしていれば十分使用できるため、価値が下がりにくいといわれています。また、職人が一つひとつの製品を丁寧に作り上げており、需要に対して供給が追い付いていないことも、希少性が高まっている理由です。
アンティークロレックスの値段を年代別に紹介
アンティークロレックスの希少価値は、発売された時期によっても異なります。ここでは、年代別の価格を紹介していきます。
20年前のアンティークロレックスの価格
2000年~2016年に販売されていた「コスモグラフ デイトナ 116520」は、1963年から続くロレックスの人気シリーズの一つです。カーレース向けに設計されたコレクションで、ロレックスで唯一クロノグラフを搭載している点が特徴といえます。
当時の定価は1,500,000円程度でしたが、オークションサイトによると、現在では2,695,000~7,678,000円の価格帯で販売されており、最高価格は17,330,000円です。比較的新しいモデルですが、現在では生産終了となっている型番であるため、さらなる高騰が予想されます。
30年前のアンティークロレックスの価格
30年前に発売されたロレックスのモデルも、現在では廃盤となっているものが多く、熟成に磨きをかけています。
冒険者向けに開発され、頑丈な作りで知られるエクスプローラーの「14270」は、約30年前の1990年~2000年に販売されていました。当時の定価は370,800円。日本のドラマで同型番のモデルが着用されたことで、デイトナに次ぐ人気機種として話題となりました。
現在の中古市場では704,000~3,498,000円と、最低でも2倍弱のプレミア価格がついており、いまだ衰えない人気の高さがうかがえます。
50年前のアンティークロレックスの価格
半世紀前の1970年代、大卒の初任給は約89,000円でした。そのころに発売された「デイトジャスト 1601」の定価が550,000円のため、当時からロレックスの腕時計が一部の人しか手にできない高級品だったことがわかります。
デイトジャストはロレックスの主要コレクションの一つであり、0時を過ぎると日付が瞬時に切り替わる「デイトジャスト機構」をはじめ、ブランドの3大発明を兼ね備えた集大成ともいえるシリーズです。希少価値が高く、現在の中古市場では418,000~2,799,800円の価格で販売されています。
資産価値の高いアンティークロレックス一覧
投資目的で購入する場合、ロレックスであれば何でもよいわけではありません。ここからは、資産価値の高いアンティークロレックスのコレクションを見ていきましょう。
GMTマスター
ロレックスが展開しているスポーツタイプの腕時計のなかでも、近年とくに注目を集めているGMTマスター。航空技術が大きく発展した1950年代、パイロット向けに開発されたGMTマスターは、時差のある国を行き来するのに便利な24時間針と、2色の回転ベゼルが特徴的でした。
その後、改良を重ねて1982年に発売されたGMTマスターⅡからは、3カ国の時間表示が可能になりました。長年にわたって製造され続けたモデルであるため、年式による仕様の違いも感じられます。
このコレクションで数の少なさからとくに高い評価を得ているのが、1959年に誕生した「Ref.1675」をはじめとする4桁リファレンスの個体です。
サブマリーナー
サブマリーナーは、1953年に登場したダイバーズウォッチです。
100mの防水機能と、潜水時間を計測するのに便利な逆回転防止機能がついたベゼルが特徴で、厳しい水中環境で活動するプロのダイバー向けに開発されました。視界の悪い水中でも、時間を認識しやすいよう設計されたシンプルな文字盤も印象的です。
アンティークロレックスとして人気があるのが、1953年~1958年頃に製造された4桁リファレンスのモデルであり、市場にはめったに出回らない個体もあるなど、その希少性も注目されている理由です。
エクスプローラー
登山家や洞窟探検家といった冒険活動を行う人々のために、1953年に開発されたエクスプローラー。過酷な環境にも耐えられるよう、優れた耐久性と視認性を備えている点が特徴のコレクションで、無駄をそぎ落としたシンプルなデザインとなっています。
初代の「Ref.6350」を筆頭に、「6610」「5500」「5504」のリファレンスをもつモデルがアンティークとして人気を博しています。ただし、これらは中古市場でもほとんど流通しないため、1963年に発売された「Ref.1016」を狙うのが現実的といえるでしょう。
デイトジャスト
1945年に発売されたデイトジャストは、ロレックスの軌跡を語る上でも欠かせないコレクションです。
3時位置の小窓に配置された日付機能をはじめ、ロレックスが発明した3大機構を余すことなく搭載するなど、ブランドの発展の歴史が反映されています。ベースとなる仕様を受け継ぎ、多くのバリエーションを展開しながらも、一目でロレックスとわかるデザインであることも魅力です。
人気モデルである「Ref.16220」の定価は、2003年当時で430,500円でした。その後、2022年に発売された「Ref.126200 オリーブグリーン文字盤」は定価804,100円。このコレクションは、極端な高値で取り引きされるケースは稀ですが、コレクターに人気があります。
デイトナ
ロレックスの象徴的なコレクションであるデイトナ。数あるモデルのなかでも別格の買取価格を誇る年代物のデイトナは、コレクターの間でも高く評価され、現行モデルを超えるケースがほとんどです。
とくに、初代デイトナの約2年後に誕生したポール・ニューマンと呼ばれる「Ref.6241」は絶大な人気となり、10,000,000円以上の買取価格がついたことでも知られています。
ほかのモデルに関しても、5,000,000円以上で取り引きされることが多く、投機商品としては十分すぎるほどの魅力をもっています。
チェリーニ
時代を超えても変わることのない気品あるたたずまいを感じさせるチェリーニ。初代モデルの誕生以降、エレガンスの象徴として親しまれてきました。
初期には、ケースの形状がラウンド型のみならず、トノー型、スクエア型などさまざまなモデルが展開され、長方形のモデルにはプリンスという愛称がつくほど人気があるモデルです。スポーツモデルと比べるとやや査定額は落ちますが、状態の良いものであれば十分に価格を考慮してもらえるでしょう。
アンティークロレックスのおすすめアイテム4選
100年以上の歴史をもつロレックスは、これまでに多くの人気モデルを輩出してきました。どれにすべきか迷っている方のために、おすすめのアンティークロレックスの商品を紹介します。
ロレックス デイトナ6263
1963年の登場以来、ロレックス デイトナは時計愛好家たちから絶大な支持を受けてきました。そのなかでも、手巻きデイトナの最終進化形として知られるデイトナ6263は、コレクターたちの間でとくに高い評価を受けています。
このモデルは、バルジュー社製の手巻きムーブメントを基に、ロレックス独自の改良を加えたことで、小型化と精度の向上を実現しました。その堅牢性と信頼性は、手巻きムーブメントのなかでも最高傑作と称されるにふさわしいものです。
1970年代に発売されて以来、約20年間にわたり製造されたデイトナ6263は、その間に行われたパーツのマイナーチェンジにより、細部にわたるディテールの違いが生まれました。これにより、市場における各個体の人気や価値には差があり、コレクターたちの間で熱い議論の対象となっています。
デイトナ6263は、単なる時計という枠を超え、芸術作品としてもその価値を認められています。その洗練されたデザインと、時代を超越した機能美は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。
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ロレックス サブマリーナー6536
1950年代から1960年代にかけて製造されたロレックス サブマリーナー6536は、深海の探索者たちに愛され続けるダイバーズウォッチの象徴です。100mの防水性能を誇り、厳格な基準をクリアしたクロノメーターを搭載していることが特徴で、その精度と信頼性は、時を経ても色褪せることがありません。
このモデルは、赤い文字で特別なメッセージが刻まれたバリエーションや、コレクター心をくすぐるロゴ入りのデザインなど、多彩なバリエーションが存在します。しかし、真ちゅう製のベゼルはデリケートであり、時間の経過とともに修理や交換が必要となることが多いため、オリジナルの状態を保つことは稀です。
また、市場には「6536-1」というモデルも存在しますが、こちらは「6536」と比較してダイヤルのサイズやケースの厚みが異なります。希少性や価値を見極める際には、これらの違いにも注意を払う必要があるでしょう。
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ロレックス サブマリーナー ヴィンテージ アンティーク5513
1963年に誕生し、約30年間にわたって製造されたロレックス サブマリーナー ヴィンテージ アンティーク5513は、時計愛好家にとって特別な存在です。その製造期間の長さは、多様なダイヤルバリエーションを生み出しました。メタル枠の有無、特殊な加工が施されたダイヤルなど、個々の時計がもつ独特の特徴は、コレクターたちにとって大きな魅力となっています。
サブマリーナー5513から派生したモデルには、フランスの会社と共同開発した5514や、イギリス海軍に採用された5517など、市場にほとんど出回らない希少なモデルもあります。これらのモデルは、アンティークロレックスのなかでもとくに高い価値をもち、時計の世界において独自の地位を確立しているのです。
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ロレックス デイトナ16520
ロレックスの歴史に新たな1ページを加えたのが、デイトナ16520です。この時計は、手巻きムーブメントに代わり、自動巻き機構を採用したことで、時計愛好家たちの間で革命的な存在となりました。その洗練されたデザインは、ブラックとホワイトの2トーンカラーで表現され、モダンながらもクラシックな美しさを兼ね備えています。
製造期間を通じて、細部にわたる改良が施されたデイトナ16520は、とくに最終バージョンのA品番とP品番が高い人気を誇ります。また、1990年代中盤にリリースされたS品番とW品番は、そのユニークなダイヤルデザインで注目を集め、コレクターたちの間で高く評価されているのです。
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アンティークロレックスは資産価値が高く個性も楽しめる
作られた年代はもとより、同じリファレンスのモデルでもパーツの違いによって絶妙な個性を楽しめるのが、アンティークロレックスの魅力です。価値が下がりにくいため、実際に使用する以外に資産として所有するのもおすすめでしょう。
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