カルティエ | 王侯貴族をも虜にした「カルティエ」の美しさ
数あるブランドの中でも、様々な国の王侯貴族を虜にしたブランドといえば「カルティエ」の名前を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?
そこで、時代を超えて愛され続けている「カルティエ」の美しさについて探ってみることにしましょう。
数多くの王室御用達ブランド
「カルティエ」は、英国王室エドワード七世からジュエリーブランドとして最高の賛辞を受けて英国王室御用達ブランドとなったことをご存知の方は多いのではないでしょうか?
そして、英国王室の御用御用達ブランドになったことに端を発して、「カルティエ」は次々と王室御用達となって行きます。
スペイン、ロシア、ギリシャ、モナコ、ベルギー、インド等その数はなんと16ヶ国にもおよびます。
中でも、インドのマハラジャ達のジュエリーを手掛けたことは、現在に至るまでカルティエに多大な影響を与え続けているようです。
インド独自の具象的なモチーフ、色使い、神秘性などが多くの創造性やインスピレーションを「カルティエ」にもたらし、
特にジュエリーでは赤、青、グリーンの鮮やかな色使いと花や果物をモチーフとした作品が製作され、ブランドの代表的なジュエリー作品となりました。
ここで少し、カルティエがどうしてこれほどまでに多くの御用達ブランドになることに成功したのかお話しておきましょう。
「カルティエ」は、宝石職人のルイ=フランソワ・カルティエによってパリで創業し、その後3人の兄弟によって引き継がれることになります。
その内、次男のピエールが宝石職人になり、彼の作り出すジュエリーに多くのパリの女性達が夢中になります。
やがて、その評判は王侯貴族たちの耳にも入るようになり、ナポレオン三世の妻であるウージェニー皇后にも愛されるジュエリーになります。
そして、各国の王侯貴族が集まるパーティでカルティエのジュエリーが紹介され、競って「カルティエ」にジュエリーをオーダーするようになりました。
やがて、「カルティエ」の評判や噂が世界各地に広まり、英国王室エドワード七世の耳にも入り、カルティエの王室御用達に向けての快進撃が続くことになります。
タンク TANK
それでは、「カルティエ」のジュエルの世界からタイムピースの世界に目を向けてみることにしましょう。
腕時計のデザインに関しても「カルティエ」は実に独自のインスピレーションを受けて製作されていると言えそうです。
現在でも、ブランドの代表的なコレクションになっている「タンク TANK」ですが、名前の通り「戦車(TANK)」がモチーフになっています。
タンクにはいくつかのモデルがあります。中でも「タンクソロ」はそのシンプルで洗練されたデザインが魅力です。
「タンク」の並行する2本の縦枠によって、ストラップのラグをケースに完全に一体化させることに成功しています。
カルティエ Cartier タンクソロ XL W5200028
また、ルイ・カルティエがデザインし、自ら使用していた「タンク・ルイ・カルティエ」があります。
輪郭がクッキリとしていてバランスの良い美しいフォルムが表現されています。
さらに、「タンク・アメリカン」では、細身で優美なデザインを採用しています。
発売当時1989年には大きな腕時計が人気であったにも関わらずあえて時代に逆行するデザインを採用する辺りに、揺るぎない美意識のようなものを感じずにはいられません。
更に、2012年に発売された「タンク・アングレーズ」では、リューズをケースに埋め込むデザインを採用し、新たな世紀に相応しいスリムでパワフルなデザインになっています。
カルティエ Cartier タンクアングレーズ MM WT100016
パシャ・ドゥ・カルティエ
パシャ・ドゥ・カルティエの発端となっているのは、1930年代にマラケシュのパシャ(高官)であったエル・ジャウイ公から「水泳の時でも着ける事のできる時計」の製作の依頼を受けて作製して角型防水ウォッチになります。
その後、ラウンド型の防水時計を1943年に発表し、これが「パシャ」の原型になります。
パシャの特徴としては、ラウンド型の防水ケース、4つのアラビア数字、ミニチェーンでケースに固定したねじ込み式リューズ・プロテクター、剣型針をあげることが出来ます。
個性的なデザインでありながら優雅さと力強さを演出することが出来るデザインと言えるでしょう。
カルティエ Cartier パシャ クロノグラフ
バロン・ブルー・ドゥ・カルティエ
バロン・ブルー・ドゥ・カルティエは、バロン(風船)をイメージして製作された腕時計になります。
特徴としては、軽やかなフォルムとそのフォルムの中に閉じ込められた青いサファイア・カボションで装飾されたリューズが特徴的なデザインになっています。
他には、ギューシェ彫りが施された美しいダイアル、剣型針、ポリッシュ仕上げのリンクス等が特徴になっています。
カルティエ Cartier バロンブルー W6920095
ご存知の方も多いと思いますが、ここでギューシェ彫りについて少し説明しておきましょう。
文字盤に施されている細かい彫り模様のことを言います。およそ200年前にブレゲによって考案されたものと言われています。
またギューシェ彫りには光の反射を防止する目的もありました。
また、青いサファイア・カボションのリューズの横にカレンダーが配置されていてローマ数字でデイトを刻み続けています。
文字盤はアラビア数字を採用していますので、こうしたバランスの取り方にも「カルティエ」の美意識が表現されていると言えそうです。
「カルティエ」の持つ独自の美しさについてはまだまだ語りつくせないほどですので、是非、その美しさをご自身の目で見て確かめてみてください。