パテック フィリップ「カラトラバ」とは?ブランドを象徴するクラシックモデルの魅力
世界最高峰の高級腕時計ブランドとして名高いパテックフィリップ。パテックフィリップの代表的なコレクションであるカラトラバは、ラウンド型腕時計の模範となる存在として、世界的にも評価が高いドレスウォッチです。
本記事では、カラトラバが誕生した歴史的背景やデザインの特徴、派生シリーズに至るまで詳しく解説します。また、カラトラバの歴代モデルやおすすめのモデル、選ぶ際に注意すべきポイントもあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
パテックフィリップのカラトラバとは
カラトラバは、パテックフィリップの象徴ともいえる代表的なコレクションで、時代を超えて多くの人々から愛されています。ここでは、カラトラバが歩んできた歴史や特徴について解説します。
1932年に誕生したモデル
カラトラバが誕生したのは1932年、懐中時計が主流だった時代です。パテックフィリップは、世界恐慌のあおりを受けて経営不振に陥っており、その状況を打破するために開発されたモデルがカラトラバです。
ドイツ・バウハウス哲学の「機能がフォルムを決定する」という理念に強く影響を受け、無駄を削ぎ落として機能性を取り入れたカラトラバの初代モデル「Ref.96」を発表しました。Ref.96は、通称「クンロク」と呼ばれ、以降リファレンスに96が付くモデルはカラトラバの系譜を引き継いでいることを意味します。
カラトラバの伝統的なシンボルマーク「カラトラバ十字」は、スペインのカラトラバ騎士団に由来しており、剣と百合の花を組み合わせたエンブレムをモチーフとしています。
シンプルで洗練されたデザイン
カラトラバのベースデザインは、Ref.96の発表当時から現在に至るまで非常にシンプルなものとなっています。フラットなベゼルとオーソドックスなラウンドケースに、立体的なドフィーヌ針とバーインデックスが組み合わされた美しい文字盤。
クラシカルなフォルムでありながら古さを一切感じさせない洗練されたデザインは、まさに究極のドレスウォッチといえるでしょう。また、ブランドのロゴマークであるカラトラバ十字が、リューズ先端にデザインされることも特徴です。
さらに、カラトラバの魅力はデザインだけではありません。立体的でバランスの取れたダイヤルは視認性に優れており、実用性も考慮されています。格式の高いカラトラバは、フォーマルなシーンにぴったりのコレクションです。
さまざまなシリーズがある
カラトラバは1932年の誕生以来、実に90年以上もの歴史を誇るシリーズです。そのため、これまで多種多彩なシリーズから派生したコレクションが誕生しています。
伝統的な手巻きのスモールセコンドや、マイクロローターを搭載した超薄型の自動巻きモデルに加え、素材やカラーバリエーションを増やすなど、メンズやレディースを問わず幅広く展開しています。また、カラトラバのシンプルなデザインを踏襲するコレクションが多い中、あえてカラトラバイズムに反するような異色のコレクションを生み出していることも特徴です。
中古品も含めるとさまざまなシリーズの中から選べるため、自分の好みに合った1本を探しやすいことも人気の理由といえます。
パテックフィリップのカラトラバの歴代モデルを紹介
カラトラバは長い歴史において、さまざまなモデルを発表してきました。ここでは、歴代モデルの中でも特に印象的な3つのモデルを紹介します。
初代カラトラバ Ref.96
「クンロク」の愛称で親しまれた初代カラトラバRef.96は、厚みが9mm、直径31mmと1932年発表当時としては驚きの薄さとコンパクトなサイズで話題となりました。余計な装飾がなく、立体的で美しく仕上げられた文字盤には、6時位置にスモールセコンドを組み合わせ、シンプルながらも視認性の高いデザインが特徴です。
また、フラットなポリッシュベゼルやミドルケースと一体化したラグによって、流麗でありながら強度も十分に保たれています。バウハウスのデザイン哲学の影響を受けて誕生した初代カラトラバRef.96のデザインは、今もなお色あせることなく受け継がれています。
Ref.3445
初代カラトラバRef,96の誕生から約30年が経過した1960年代、新たな系譜として誕生したのがRef.3445です。直線的なラグや極細のインデックスと針を採用するなど、よりシンプルさに磨きをかけたデザインは、これまでのカラトラバに見られない大胆な試みでしたが、エレガントな雰囲気が人気を博し、1960年代を代表するモデルとなりました。
これまでのシンプルで洗練されたデザインをより強調することによって、当時のトレンドを象徴するコレクションとなり、シャープネスデザインはRef.3445以降のカラトラバにも影響を与えるきっかけとなっています。
Ref.5196
Ref.5196は、初代カラトラバRef96の意匠を引き継いだモデルです。ケースと一体化したラグや、立体的なドフィーヌ針とバーインデックスなど、随所に初代カラトラバRef.96を彷彿とさせる特徴が見られます。
ケースの直径が37mmと大幅にサイズアップする一方、厚みは7.68mmとすっきりしていてスーツの袖口にひっかかりにくく、太めのストラップによるホールドが抜群の着け心地を与えてくれます。サテン仕上げのシルバーダイヤルとローズゴールドケースを組み合わせることで、よりエレガントな雰囲気を身にまとったモデルです。
パテックフィリップのカラトラバのおすすめモデル6選
パテックフィリップを象徴するカラトラバには、他にも多種多彩なラインアップがあります。
ここでは、カラトラバの中でも選りすぐりのおすすめモデルを6つ紹介します。
カラトラバ 5119R-001
カラトラバ 5119R-001は、クラシカルなデザインと現代的な存在感を融合したモデルです。特に注目すべきポイントは、ベゼルに施された「クル・ド・パリ」と呼ばれるギヨシェ装飾。この装飾はパリの石畳をイメージしたもので、細やかなピラミッド型の突起が光を反射し、上品で華やかな印象を与えます。
このモデルは、名作として知られるRef.3919のデザインを受け継ぎつつ、ケースサイズを36mmに拡大しました。わずかなサイズアップによって、より存在感のある仕上がりとなっています。内部には、パテック フィリップの手巻きムーブメントCal.215PSが搭載されています。また、ケースが薄く設計されているため、手首をすっきりと見せる効果もあり、実用性と美しさを兼ね備えた1本といえるでしょう。
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カラトラバ 6119R-001
「カラトラバ 6119R-001」は、前モデルである5119R-001をさらに進化させた魅力的な一品です。伝統的なギヨシェ装飾「クル・ド・パリ」を受け継ぎつつ、ケースサイズを39mmに拡大し、存在感を際立たせています。このサイズ変更により、ケースからラグまでが流れるように一体化したデザインがより際立ち、立体的なドフィーヌ針と相まってRef.96を思わせる上品なフォルムを形成しているのが特徴です。
また、文字盤も新たなデザインが採用されています。グレイン仕上げのシルバー文字盤の外周には、レール形状のミニットスケールがプリントされており、このディテールにより視認性が向上。時計としての実用性がさらに高まりました。搭載されている新開発の手巻きキャリバー30-255 PSは、65時間のパワーリザーブを実現しています。また、リュウズを引くと秒針が停止するハック機能を備えており、正確な時刻合わせが可能です。
伝統と革新が融合した「カラトラバ 6119R-001」は、タイムレスな美しさと優れた機能性を兼ね備えた逸品です。
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カラトラバ 3923R
カラトラバ 3923Rは、素材の滑らかさが引き立つ魅力的なモデルです。丸みを帯びたステップドベゼルとミドルケースに一体化したラグの組み合わせが、シンプルながらも流麗なデザインを形成しています。このモデルでは珍しいピンクゴールドが採用されており、32mmの小ぶりなケースとアイボリーの文字盤が暖かみのある雰囲気を醸し出しているのが特徴です。その柔らかで上品な印象は、メンズモデルでありながら女性にも自然にフィットするでしょう。
また、多面的なカットが施されたインデックスとドフィーヌ針が薄型ケースに立体感を生み出し、ダイヤルに奥行きをもたらしています。この丁寧な作りが、モデル全体に洗練された魅力を加えています。
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カラトラバ 7122/200G-001
カラトラバ 7122/200G-001は、レディースモデルらしい透明感と清潔感を備えたホワイトカラーが際立つ時計です。ケース、文字盤、ストラップまで純白で統一されたデザインは、「タイムレス・ホワイト」という愛称にふさわしく、純粋で無垢な印象を与えます。
ベゼルにはダイヤモンドが丁寧にセッティングされており、ホワイトゴールド製のラグが高級感をさらに引き立てます。また、ホブネイルパターンが施されたインデックスとリーフ針の組み合わせが特徴的で、このクラシカルで繊細なダイヤルデザインには、職人技のこだわりが感じられます。ケース裏側にはシースルーバックが採用され、手巻きムーブメント「キャリバー215PS」の精緻な動きを眺めることができるのも魅力です。
フォーマルな場面にも美しく調和し、身に着ける人の魅力をいっそう引き立てる1本といえるでしょう。
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カラトラバ パイロット トラベルタイム 5524G-001
カラトラバ パイロット トラベルタイム 5524G-001は、カラトラバシリーズの伝統を一新する大胆なデザインで、登場時から注目を集めたモデルです。その外観は、シンプルで洗練されたケースやラグのデザインと、パイロットウォッチらしい機能性を備えたダイヤルの対比が際立っています。
42mmというカラトラバでは規格外のホワイトゴールドケースが、このモデルにメンズウォッチならではの力強さを与えています。さらに、8時位置と10時位置に配置されたデュアルタイム表示用のハンドは、実用性とデザイン性の両面で高い評価を得ています。文字盤はニス塗装による深みのあるブルーが印象的です。6時位置にはカレンダーが配置され、夜光付きのゴールド植字インデックスにより、昼夜を問わず高い視認性を実現しています。
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カラトラバ 7200/200R-001
カラトラバ 7200/200R-001は、パテックフィリップがジュエリーウォッチの頂点を目指して生み出した、芸術的なタイムピースです。ローズゴールドのベゼルには、パテックフィリップ独自の「フラム・セッティング」技術が採用されています。この技術により、142個のブリリアントカット・ダイヤモンドが隙間なく精巧に配置され、爪状の細工が施されたローズゴールドが美しい輝きを放っています。
ダイヤモンドは内外二列に配置され、手編みのレースを思わせる繊細なデザインを実現しています。さらに、滑らかな曲線を描くフォルムが装飾美を際立たせ、優雅さを感じさせる仕上がりとなっています。
文字盤はシルバーを基調としたシンプルな2針デザインを採用。スモールセコンドを排したことで、洗練されたレイアウトがベゼルの華やかさを引き立て、全体の調和を保っています。また、レザーストラップにはバックル部分にも26個のダイヤモンドが施されており、細部に至るまで贅沢さが追求されています。
カラトラバ 7200/200R-001は、パテックフィリップの卓越したクラフトマンシップと美への情熱を体現した1本です。
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カラトラバを選ぶときのポイント
カラトラバは多種多彩なシリーズ展開をしているため、どれを選べばよいのか迷ってしまう方もいるでしょう。ここでは、カラトラバを選ぶ際に注意すべきポイントについて解説します。
手巻きと自動巻きの2種類がある
カラトラバの現行モデルには、手巻きと自動巻きの2種類があります。手巻きに搭載されているムーブメントは、シンプルな2針モデルのCal.215と、6位置にスモールセコンドを配置したCal.215 PSがあります。手巻きは定期的にリューズを巻き上げなければなりませんが、ケースが薄くスタイリッシュなデザインが魅力です。
一方、自動巻きに搭載されているムーブメントは、Cal.324SCとCal.240です。Cal.324SCは、3時位置にデイト表示があるセンターセコンドの3針モデルで、Cal.240は、秒針がない2針タイプで主にレディースモデルに搭載されています。
ケースサイズや素材を比較する
かつては、31mmのケースサイズで人気を博したカラトラバですが、現行モデルでは37mmや39mmのケースサイズが主流となっています。一部のレディースモデル、例えばRef.7200シリーズではケースサイズが34.6mmと小ぶりなモデルもあり、他のブランドと比較してもコンパクトなサイズ感です。
一方、素材に関してはホワイトゴールドやイエローゴールド、ローズゴールドといった高価な素材を使用したケースや、ダイヤモンドをふんだんに用いたデザインにするなどのこだわりが見られます。
カラトラバはパテックフィリップの象徴的なモデル
「クンロク」の愛称で親しまれた初代カラトラバRef.96の誕生以降、ラウンド型腕時計の模範的存在として、カラトラバは現代の腕時計デザインの基礎を確立しました。
クラシカルなフォルムでありながら、古さを一切感じさせない洗練されたデザインは、同社の哲学と技術を融合しながら歩み続けた結果であり、これからも時計愛好家を魅了し続けていくでしょう。ぜひ、完成された究極のドレスウォッチを手に取り、その美しいフォルムを堪能してみてはいかがでしょうか。
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