腕時計                  

フランク・ミュラー | 稀代の時計の魔術師が作り出すおもちゃ箱のようなタイムピース

LINEで送る
Pocket

フランク・ミュラー

タイムピースの新作発表会と聞いてワクワクする腕時計がありますか?
毎年そんな楽しみを提供してくれるブランドのひとつとして「フランク・ミュラー」の名前をあげる方は多いのではないでしょうか?
今回は、そんな「フランク・ミュラー」のコレクションの歴史を振り返りながらその魅力に迫ってみることにしましょう。

トゥールビヨン

フランク・ミュラーのコレクションは革新的なものが多く、
中でも「トゥールビヨン」は、時の精度を求める姿勢が形になったコレクションと言えるのではないでしょうか?
「トゥールビヨン」の機能は、地球の重力が原因で起こってしまう精度の誤差を自動に調整してしまうという実に革新的な機能になります。
この「トゥールビヨン」の機能はタイムピースの三大複雑機構のひとつになります。
それでは、フランク・ミュラーの「トゥールビヨン」のコレクションを見てみることにしましょう。

フリーオシレーション・トゥールビヨン

1986年に発表された「トゥールビヨン」は、ジャンピングアワー機能がついた革新的でレギュレータータイプの文字盤がとても個性的なタイムピースです。
ジャンピングアワー機能についてご存知の方も多いとは思いますが、ここで少しだけ説明しておくことにしましょう。
ジャンピングアワーとは、ダイヤル上にある小窓で、時刻の時の単位を表示する機構のことを言います。
+時が切り替わる瞬間に数字が一瞬で変わるため、まるで時間がジャンプしているように見えるため、ジャンピングアワーと呼ばれています。
ジャンピングダイヤルと呼ばれることもあります。

フリーオシレーション・トゥールビヨン・ミニッツリピーター

1987年の「トゥールビヨン・ミニッツリピーター」は、「トゥールビヨン」と「ミニッツリピーター」を見事に融合させた逸品になります。エンパイアスタイルのパーツをムーブメントに使用されています。文字盤はスケルトン加工されているため、ムーブメントの美しさを楽しむことが出来るデザインになっています。
「ミニッツリピーター」も、三大複雑機構のひとつで、そのふたつを融合させることに成功していることから、フランク・ミュラーの技術力の高さを伺い知ることが出来ます。
ちなみに「ミニッツリピーター」とは、17世紀末に英国で開発された鐘を鳴らすことで時を告げる機構のことを言います。この機構の小型化に成功したのが、天才時計師として有名なブレゲになります。フランク・ミュラーがブレゲの再来とも言われている理由がお分かり頂けるのではないでしょうか?

リバース・トゥールビヨン・ミニッツリピーター・パーペチュアルカレンダー

フランク・ミュラーの複雑な機構の融合はとどまることがありませんでした。遂にタイムピースの三大複雑機構を融合させてしまうことになります。
1989年に発表された「リバース・トゥールビヨン・ミニッツリピーター・パーペチュアルカレンダー」が、三大複雑機構を融合させた記念すべきタイムピースになります。
「トゥールビヨン」と「ミニッツリピーター」に「パーペチュアルカレンダー」まで加えたこのモデルは、2年の歳月を研究・開発に費やして数百個のパーツを必要とした実に複雑な機構で、製作されたのはわずか1点という大変貴重なモデルになります。

スプリットセコンド・クロノグラフ・トゥールビヨン

「トゥールビヨン」の機能を更に進化させたモデルが、1990年に発表された「スプリットセコンド・クロノグラフ・トゥールビヨン」になります。このモデル以前の「トゥールビヨン」は重力によって発生してしまう精度の誤差の調整機能を更に安定させるために開発されました。
このモデルの設計には16ヶ月の歳月が費やされたと言われています。使用しているパーツ数も数百個という複雑さで、製作点数もわずか1点になります。

フランク・ミュラー ヴァンガード グラビティ トゥールビヨン
フランク・ミュラー FRANCK MULLER
ヴァンガード グラビティ トゥールビヨン
V45 T GRAVITY CS TT NR BR BL

キャリバー

フランク・ミュラーのタイムピースのコレクションの中で複雑な機構を搭載し進化させたモデルは「トゥールビヨン」だけではありません。「キャリバー」にも複雑な機構が搭載されて進化を続けています。「キャリバー」のモデルの歴史をのぞいてみることにしましょう。

キャリバー92

1992年に発表された「キャリバー92」に搭載されているのは「ミニッツリピーター」だけではありません。1時間毎に時を鳴らす「グランドソリヌ」と15分毎に時を鳴らす「プチソリヌ」が搭載されています。
また、「パーペチュアルカレンダー」には2100年まで組み込まれ、ムーンフェイズや時計内部の温度まで表示されるようになっています。
このモデルも1点しか製作されておらず、大変貴重なものになっています。

キャリバー94

「トゥールビヨン」、繰り返し作動するインジケーターが搭載されている「ミニッツリピーター」、「パーペチュアルカレンダー」、レトログラード秒針などの複雑な機構を搭載した上に、コンパクト化にも成功した「キャリバー94」は1994年に発表されました。
このモデルの開発には3年もの月日を要したと言われていますので、如何に複雑なモデルであったか推測頂けるのではないでしょうか?

キャリバー95/96

キャリバーのモデルは更に進化を続けて行くことになります。1995年に「キャリバー95」、1996年に「キャリバー96」が発表されます。
「キャリバー95」では、フランク・ミュラーが所持している「トゥールビヨン」、「スプリットセコンド・クロノグラフ」などの特許技術をあますことなく搭載し、文字盤をダブルフェイス仕様にすることでデザイン的にも大変魅力的なモデルになっています。
続く1996年に「キャリバー96」を発表し、ダブルフェイスの両面に「ミニッツリピーター」を置いた世界で初めてのモデルになっています。ダブルフェイスで別のタイムゾーンを設定することが可能なユニークな仕様になります。

フランク・ミュラーの独創的で個性的なタイムピースの歴史をご紹介して来ましたが、どの腕時計も腕時計自体がおもちゃ箱のように、どんな仕掛けがあるのかワクワクして覗いてみたくなるものばかりではないでしょうか?

LINEで送る
Pocket