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ヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計パトリモニーはなぜ高い?安く手に入れるコツも解説

優雅なドレスウォッチとして、世界の時計愛好家から高い支持を得ているヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニー。多くの方をひきつける一方で、価格の高さに注目が集まることも少なくありません。

本記事では、パトリモニーがなぜ高いのかを、コレクションの魅力や特徴と共に解説していきます。また、人気アイテムを少しでも安く手に入れる方法を紹介しますので、パトリモニーが気になっている人はぜひ参考にしてみてください。

ヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーとは


まずはヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーについて、どのようなコレクションか紹介します。人気の秘訣やブランドの歩んできた道のりも紹介しますので、パトリモニーの基本情報とともに確認していきましょう。

1950年代に発表されたタイムピースが元となっている

パトリモニーは、1950年代にヴァシュロン・コンスタンタンで販売されていたモデルを元に作られたコレクションです。

当時、製造されていた腕時計は、「Ref.6179」や「Ref.6187」を筆頭に薄型のキャリバーを搭載したモデルに注目が集まっていました。加えて、ムーブメントの構造に美しさを兼ね備えたものが作られるようになったのも、この頃のことであり、現代の時計愛好家たちの心をもわし掴みにしています。

特に、メゾン誕生から200周年を記念して1955年に製造された「Cal.1003」は、厚さ1.64mmという極限の薄さを誇るムーブメントです。このムーブメントは、ヴァシュロン・コンスタンタンが手掛けた中でも最高傑作の一つとして、時計愛好家には知られています。

2004年に最初のパトリモニーが誕生

ヴァシュロン・コンスタンタンの創業は、世界の名だたる高級腕時計ブランドの中でも最も古い1755年。パトリモニーがコレクションとして正式に登場したのはおよそ20年前なので、ブランドの長い歴史から見ればかなり最近の出来事です。

時を経て、現在では代表的なコレクションの一つにもなったパトリモニーは、1950年代のモデルに現代風の解釈を加えたクラシックとモダンが共存するデザインが魅力。

ラウンド型のケースにスリムなベゼルを合わせたすっきりとした外観や、ドーム状の文字盤に沿うようにカーブを描いた細身のインデックスといったデザインコードが、変わらず受け継がれています。一方で、ラグを絞って細身のストラップを組み合わせるなど、現代的な要素も取り入れられているのが特徴です。

オラ・イトとのコラボモデルが注目を集める

パトリモニーの誕生から20周年を迎えた2024年、フランス人デザイナーのオラ・イト氏とのコラボモデルであるパトリモニー・オートマティックが発表されました。

パトリモニーのシンプルなベースデザインはそのままに、イエローゴールドの煌びやかなケースが心に残ります。また、ワントーンの文字盤には波紋のように広がる無数の同心円、6時位置にレイアウトされた控えめなデイト表示など、圧倒的な存在感を放ちながらも繊細でレトロなニュアンスを併せ持つデザインが注目されました。

オラ・イト氏は、2011年にフランスで芸術文化勲章を受章した経歴もある人気デザイナー。商品デザインや建築の分野で活躍しており、ミニマルかつシンプルなデザインを一貫して用いると共に、その中にも革新的なラグジュアリーと普遍的な美しさが込められているのが作品の特徴です。

パトリモニーが人気で高値である3つの理由


世界三大時計ブランドの一つにも数えられるヴァシュロン・コンスタンタン。ブランド自体がそもそも雲の上のような存在ではありますが、パトリモニーの人気と価格が高いとされる理由には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、主な理由を3つ挙げていきます。

素材やデザインにこだわりがある

パトリモニーに使われているデザインや素材に強いこだわりがある点が、人気が高く高値につながっています。

パトリモニーは、ヴァシュロン・コンスタンタンに限らずあらゆるドレスウォッチの中でも最高峰の呼び声が高いコレクション。どのようなスタイルにも馴染みやすいシンプルさと、品格漂うエレガンスを兼ね備えたデザインは、さまざまなシーンにマッチするとともに強い存在感を放ちます。

また、ケースやバックルには品質の高い18Kゴールドやプラチナといった選りすぐりの素材が使用されており、時を経ても変わらない美しさが保てるのも魅力。熟練の職人の手によって丁寧に仕上げられているため、奥深い輝きを味わえるでしょう。パトリモニーは伝統と現在の技術が融合した、そんな一品なのです。

ムーブメントの形状が美しい

近年では時計の製造技術が発展し、複雑機構と呼ばれる高度な機能を搭載したモデルも多く登場するようになりました。そんな中で、パトリモニーはムーブメントの形状にもこだわりを持って作られている点が魅力です。

先ほど紹介した薄型キャリバーに代表されるように、パトリモニーではムーブメントの精度のみならず美しさにも重きが置かれるようになり、時計内部のパーツが規則的に駆動する様子はもちろんのこと、ローターに施された繊細な装飾を見て楽しむという味わい方ができるのも、このコレクションならでは。そのため、パトリモニーの裏蓋はシースルーになっているモデルが多いです。

エンブレムの美しさが強調されている

ヴァシュロン・コンスタンタンのモデルには、メゾンがシンボルマークとしている「マルタ十字」が至るところにあしらわれています。マルタ十字は、中世ヨーロッパ時代に設立されたマルタ騎士団が用いていたマークであり、自社製ムーブメントの部品がそのマークに類似していたことから、採用されるようになりました。

文字盤上にロゴマークとして使用されているのをはじめ、リューズやラグ、バックルなどにマルタ十字を模したデザインが組み込まれているモデルが多いです。特に、パトリモニーではインデックスの12時・3時・6時・9時の4箇所が楔型のアワーマーカーとなっており、文字盤全体でマルタ十字へのオマージュを体現している様子がうかがえます。

シンボルマークを前面に押し出したパトリモニーは、単なる装飾としてだけでなく、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計作りにかける情熱や真摯な姿勢を感じ取ることができるでしょう。

パトリモニーを安く手に入れるコツ


パトリモニーはブランド腕時計の中では非常に高価なアイテムですが、購入先を工夫することで出費を抑えることもできます。2つの購入方法と、一つの注意したいポイントについて紹介しますので、購入前にぜひ確認してみてください。

ECショップや中古販売店で購入する

安く手に入れたいのであれば、ECショップや中古販売店を利用するのがおすすめです。ECショップは全国どこに住んでいても購入することができますし、サイトによってはポイントがつくことも。また、セールやキャンペーンといったお得な情報を随時チェックできる点も魅力です。

中古販売店は、きちんとした事業者が運営しているところであれば、中古品でも状態が良いものを手に入れることができます。モデルによっては新品で入荷される場合もあるので、店舗に問い合わせてみるとよいでしょう。実績が豊富な中古販売店はECショップを展開しているケースも多いので、上手く活用してみてください。

並行輸入店を利用する

並行輸入店は、正規代理店以外のバイヤーが海外で仕入れたアイテムを国内で販売する事業形態のことです。単なる転売とは異なり、法律で定められた手順を踏んで輸入・販売を行っているため、安心して購入することができます。

正規代理店を通さないので、定価に縛られることなく、中間マージンや余計な人件費なども発生しないのが並行輸入店の強み。コストが省かれた分を価格に反映させ、低価格で販売している事業者も少なくありません。特定のブランドに強い店舗であれば、細かな商品説明や手厚いサービスも期待できるでしょう。

オークションサイトは信頼性が落ちるので注意が必要

近年はオークションサイトやフリマサイトが活発になり、個人で品物をやり取りした経験がある方もいらっしゃるでしょう。良心的に取り引きしてくれる相手がほとんどですが、中には偽物や粗悪品が売られているパターンもあるので注意が必要です。

特に、高級ブランドや有名店のアイテムはターゲットになりやすく、しばしば社会問題となっています。アイテムが本物かどうか、もしくは破損していないかを自分で見極められる自信がない場合は、個人間での取り引きを避けるのが得策といえるでしょう。

ヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーのおすすめモデル4選


ここからは、パトリモニーのおすすめモデルを紹介していきます。それぞれ個性が際立つアイテムばかりですので、好みに合うものがないかチェックしてみましょう。

パトリモニー オートマティック 85180/000G-9230

シルバーカラーのケースにブラックのアリゲーターレザーを組み合わせた「85180/000G-9230」は、控えめながらも品格漂う佇まいが魅力のタイムピースです。無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインは、日常使いからビジネスシーンまで幅広く対応し、装いを選ばず手元に馴染みます。

パトリモニー・コレクションを象徴する楔型とバータイプのインデックスは、スリムかつ繊細にデザインされており、洗練された印象を際立たせます。6時位置に配されたデイト表示は、全体のバランスに程よいアクセントを添え、シンプルな美しさの中に機能美を宿しています。

ケースバックはシースルー仕様となっており、キャリバーの緻密な動作を堪能できる設計です。そこに刻まれたマルタ十字の意匠からは、細部にまで徹底して美を追求するヴァシュロン・コンスタンタンの哲学が息づいていることがうかがえるでしょう。

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パトリモニー パワーリザーブラウンド 47200/000G-8445

文字盤に施された繊細なギョーシェ彫りが、柔らかくも上品な印象をもたらす「47200/000G-8445」。リーフ型の時分針が指し示すインデックスには、12時位置にブランドの象徴であるマルタ十字のエンブレムが配され、各アワーマーカーにはローマ数字を採用。クラシカルでありながらも、パトリモニー・コレクションの中でも一線を画す個性が感じられる1本です。

10時と11時の間に配されたパワーリザーブインジケーターは、世界七大複雑機構にも数えられる機能であり、実用性だけでなく機械式時計ならではの機構美をも体現。さらに3時位置にはデイト表示、6時位置にはスモールセコンドのインダイヤルを備え、静かに、そして緻密に時を刻む様は、つい見入ってしまうほどの魅力にあふれています。

ムーブメントには自動巻きが採用されており、日常的に身に着けていればパワーリザーブを気にせず使用可能です。それでも、扇状のメーター上を針が滑らかに移動する様子は、機構の動きを視覚的に楽しめるポイントでもあります。パトリモニーの中では比較的手が届きやすい価格帯である点も、初めての1本として注目される理由の一つといえるでしょう。

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パトリモニー 世界限定100本 43175/000P-B190

3つのインダイヤルとムーンフェイズが織りなす端正なバランスが印象的な「43175/000P-B190」は、2016年に開催された国際高級時計見本市(SIHH)にて発表された、世界限定100本の希少なモデルです。

搭載されているのは、閏年を含む複雑な暦にも対応可能なパーペチュアルカレンダー。月ごとの日数の違いも自動で判別し、西暦2100年まで手動による調整を必要としません。インダイヤルには月・日・曜日がそれぞれ独立して表示され、視認性と整然としたデザインが両立されています。さらに6時位置に配されたムーンフェイズでは、月の満ち欠けの変化を詩的に映し出し、時計としての機能を超えた情緒を感じさせます。

パーペチュアルカレンダーとムーンフェイズはいずれも、高度な技術力を要する複雑機構の中でもとりわけ上位に位置付けられる特別な存在です。その精緻な機構を収めるケースには、重厚感と気品を兼ね備えたプラチナ素材を使用。ひと目で特別な1本とわかるその佇まいからは、ヴァシュロン・コンスタンタンが生み出す極上のエレガンスとタイムピースへの哲学が静かに伝わってくることでしょう。

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パトリモニー マニュアルワインディング 1110U/000G-B086

「1110U/000G-B086」は、シンプルな意匠の中に洗練された美を宿し、さまざまなスタイルに自然と調和する1本です。搭載されているのは手巻き式ムーブメントで、約3日間ものパワーリザーブを備えており、実用性と機械式時計ならではの魅力を兼ね備えています。

ケース、インデックス、時分針には18Kホワイトゴールドを採用。優雅で控えめな輝きが、時計全体に上品な印象をもたらします。柔らかなカーブを描く文字盤とアワーマーカーの配置は、パトリモニー・コレクションが受け継いできた伝統的な美意識を色濃く反映。6時位置にはスモールセコンドが設けられ、静かに時を刻む様子が視覚的にも楽しめる構成となっています。

ケースバックはシースルー仕様で、そこからはジュネーヴ・シールが刻まれたムーブメントの精緻な動きを眺めることが可能です。ジュネーヴ・シールとは、時計製造における最高レベルの品質と精度を保証する証であり、ヴァシュロン・コンスタンタンが掲げるクラフツマンシップの真髄が、そこに確かに息づいています。

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ヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーは最上級の上品さを持っている


ヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーは、ブランドの歴史や魅力が詰まったモデルであるため、かなり高価な値段がつきやすいです。シンプルで上品な佇まいが特徴のパトリモニーは、どのシーンにも馴染みやすく、1本持っておけば生涯のパートナーとして寄り添ってくれることでしょう。

ぜひこの機会に、最上級のドレスウォッチで自身をエレガントに演出してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

佐藤高雅(さとうたかまさ)
株式会社ジェムキャッスルゆきざき ECソリューション室副室長

1996年生まれ。高校在学中に煌びやかな高級腕時計やジュエリーに興味を持つ。
大学在学中に某日本メーカ時計正規店でアルバイトを経験し卒業後、店舗販売員として2019年ジェムキャッスルゆきざきに入社。
3年間販売員を経験した後、時計の知識や文章力を買われECソリューション室へ異動。
以後ゆきざきサイトの文章やブログ記事、デザイン関連を統轄しており、メディア広報室立ち上げ時にはYouTubeレギュラー出演やニュース番組、中国系SNSにも出演する。

初めて購入した腕時計は、23歳でブレゲのマリーン2。
婚約時計はペアでジャガールクルトのレベルソ。
ランゲ&ゾーネ ランゲ1を手に入れるものの、自分には早すぎたと手放す。
40歳になったら記念で購入予定(理想)
好きなブランドは、ジャガールクルト・ランゲ&ゾーネ・FPジュルヌ。時計業界歴7年。

■経歴
2019年 株式会社ジェムキャッスルゆきざき/新卒
2021年 メディア広報室/設立
2022年 ECソリューション室/副室長
■得意領域
WEBライター
高級腕時計全般
■保有資格
Google アナリティクス認定資格(GAIQ)
ジュエリーコーディネーター




       
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